緑内障

[No.15] 緑内障多治見スタディーのお話

清澤のコメント:今、木曽郡の眼科は県立木曽病院にもありますが、私の祖母が生きていた当時は名古屋まで白内障手術を受けに行っていました。多治見にも大昔に伯父(小原博亨)が勤務していた県病院と市立病院があります。

緑内障で有名な多治見スタディーは当時市立病院に勤務されていた先生が中心になって日本緑内障学会で企画実行されたと聞いています。

ーーーー多治見スタディーの解説(山本先生原稿から抜粋http://yamamotoganka1.com/tajimi_study.htm)ーーーー

多治見スタディーの調査により、緑内障はごくありふれた病気でありながら見逃されていることがいかに多いかわかりました。とくに今回緑内障と診断された中間集計の174人中自覚症状のあったものは8%であり、過去に3%が緑内障の疑いを指摘されてはいましたが残りの89%は自覚症状がまったくなく過ごしていたこと分かりました。

いままで、私たち眼科医は眼圧をよりどころに緑内障の診断をしておりました。前回の疫学調査の際にもすでに眼圧だけでは緑内障は診断できないといわれておりましたが今回の調査により、眼圧だけでは9割の緑内障患者を見逃してしまうことが決定的となりました。

日本の全緑内障の67.8%は開放隅角緑内障でありそのうちの9割以上は眼圧の正常な緑内障であることがわかり、緑内障治療とは正常眼圧緑内障をどうするかという問題であることが明らかとなりました

ただ現在さまざまな治療の試みがなされて、一筋の光明が見えつつありますが現在のところ正常眼圧緑内障であっても眼圧を下げることしか治療としての有効性は証明されておらず、明日からもこのことを心にしながら、眼圧を測り続けなければならないことは言うまでもありません。

 多治見スタディーはわが国の緑内障の概念を決定的に転換させる結果となりました。

https://youtu.be/VSothnMI4u4

 

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