眼瞼痙攣

[No.1208] 眼瞼痙攣にも用いられる、ツムラ抑肝散加陳皮半夏とは

清澤のコメント:私は眼瞼痙攣やビジュアルスノウに伴う気分抑鬱(鬱症)に対して、このツムラ抑肝散加陳皮半夏を処方し、患者さんに喜ばれることがあります。今日はこの薬剤の効能効果を見直してみましょう。漢方なので、同じ薬剤名でもメーカーにより、添加物の違いか使用するグラム数が異なるようです。私は「ツムラ83」と略称される「ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(医療用)」を一日7.5g(2.5g3包)で処方しています。その用法は食前または食間です。喜ぶ患者さんがいる反面、体質に合わないという患者さんも居ます。

①   ーーーーーーー

 添付文書から

薬効分類名:漢方製剤

承認等:販売名;ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(医療用)

組成:本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。(各成分の効果は、添付文書外情報です)

日局ハンゲ     5.0g:胃の働きを高める(陳皮と)半夏
日局ソウジュツ   4.0g;蒼朮と茯苓は、水分循環を改善する漢方の代表的な利尿薬。
日局ブクリョウ   4.0g:茯苓には、気分を落ち着けたり、動悸をしずめる作用もあるといわれる。
日局センキュウ   3.0g:血行をよくして貧血症状を治す
日局チョウトウコウ 3.0g:釣藤鈎には脳循環をよくする作用があるとされ、手足のふるえ・けいれんなどにも効果的と考えられる。
日局チンピ     3.0g:胃の働きを高める
日局トウキ     3.0g:血行をよくして貧血症状を治す当帰
日局サイコ     2.0g;柴胡は、熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる働きをします
日局カンゾウ    1.5g:緩和作用
添加物
日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物

性状:剤形;顆粒剤

色:淡灰褐色
におい:特異なにおい
味:わずかに渋い
識別コード:ツムラ/83

効能又は効果

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

1.
著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等があらわれるおそれがある。]
2.
食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
2.
本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止すること。
3.
他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

相互作用

併用注意:(併用に注意すること)

薬剤名等 
(1)カンゾウ含有製剤
(2)グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
臨床症状・措置方法
偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。(「重大な副作用」の項参照)
機序・危険因子
グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度は不明である。

重大な副作用

1. 偽アルドステロン症低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

2. ミオパチー低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

消化器
頻度不明 
食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等

包装

**500g、2.5g×42包、2.5g×189包

主要文献及び文献請求先

*文献請求先

株式会社ツムラ お客様相談窓口
東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521
TEL:0120-329970
FAX:03-5574-6610

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

株式会社ツムラ

*製造販売元
株式会社ツムラ
東京都港区赤坂2-17-11

眼瞼痙攣治療を成功させる10のヒントやコツ(再掲)

 ②  ーー私の(眼瞼痙攣やビジュアルスノウに伴う)鬱症への使用ーーーーー

抑肝散加陳皮半夏よくかんさんかちんぴはんげ

●ストレスの発散ができず・神経が高ぶる人に用いられます。
●イライラしているが、充分にストレスを発散できない人に使用されます。
●略
●本剤の「抑肝(よくかん)」という名は、肝気(かんき)が高ぶって怒りやすく、神経質で、俗に癇(かん)が強いといわれるのを鎮静させるところから来ています。もとは神経が高ぶってひきつけなどを起こす小児のために創られた処方ですが、神経過敏や精神的な緊張で眠れない、あるいはイライラして落ち着かないとか、逆にうっとうしいといった方は年齢によらず用いることができます。イライラを落ち着かせ、神経を安定させる漢方薬といえます。
●ちょっとした物音にびくっとしたり、臍(へそ)の左に動悸(どうき)や圧痛があるとか、顔などの筋肉がピクピク引きつる、睡眠中に歯ぎしりする、といった場合があるのもツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(医療用)を用いる一つの目安と考えられます。
●ツムラ 抑肝散加陳皮半夏 エキス顆粒(医療用)は、わが国古来の経験による処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく顆粒剤としたものです。
●抑肝散加陳皮半夏は抑肝散に陳皮、半夏を加えたもので、これを方剤名としました。
●「ストレスの発散ができず、神経が高ぶる人」を基本に、
①小児の夜泣き、瘡症。
②登校拒否症。登校前や出勤前になると頭痛や腹痛が起こる人。
③精神的緊張状態の強い受験生や管理職の神経症、不眠症。
④略

  ーーーーーーーー

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。