🕷️Netflixドラマ『ウェンズデー』とは?
眼球突出や猫背の怪物「ハイド」が登場するこの作品は、ただのホラーではありません。『ウェンズデー』は、アメリカの名作『アダムス・ファミリー』の長女ウェンズデー・アダムスを主人公にしたスピンオフドラマで、2022年にNetflixで配信されました。監督は奇才ティム・バートン。全8話構成で、ゴシックな世界観と学園ミステリーが融合した異色の作品です。
🎓舞台は「ネヴァーモア学園」
物語の中心は、ニュージャージー州ジェリコ郡にある寄宿学校「ネヴァーモア学園」。ここは人狼、吸血鬼、セイレーン(人の心を操る種族)など、異能者たちが集う“のけ者”のための学び舎です。ウェンズデーは、通っていた高校での事件をきっかけにこの学園へ転校。冷静沈着で皮肉屋な彼女は、周囲と距離を取りながらも、次第に学園に潜む謎に巻き込まれていきます。
🗺️ニュージャージー州とジェリコ郡の位置づけ
私自身、ペンシルバニア州フィラデルフィアの大学病院に留学していた経験がありますが、ニュージャージー州はその東隣に位置する小さな州です。フィラデルフィアからはデラウェア川を越えればすぐにニュージャージーに入ります。州の北にはニューヨーク市が控え、地形は比較的平坦で、農産地としての印象は薄い地域です。
ドラマに登場する「ジェリコ郡」は、実際には存在しない架空の地名です。聖書に登場する古代都市「ジェリコ(Jericho)」から着想を得たと思われ、神秘性や歴史的重みを演出するための設定と考えられます。現実のニュージャージー州にはジェリコ郡はありませんが、物語の舞台としては非常に象徴的な名前です。
🔍物語の核心:連続殺人と「ハイド」
第1部では、学園周辺で起こる猟奇的な連続殺人事件が物語の軸となります。犯人は、眼球が突出し、猫背で人を襲う怪物「ハイド」。このハイドの正体と、それを操る存在を探る過程で、ウェンズデーは自身の幻視能力を駆使しながら、学園の過去や家族の秘密に迫っていきます。
👁️眼科的視点で見る「ハイド」
ハイドの外見は、眼科医としても興味深いものがあります。眼球突出(プロプトーシス)は甲状腺眼症などで見られる症状ですが、ハイドのそれは異常なレベル。視神経への圧迫や眼球運動障害が起きていてもおかしくないほどです。猫背と合わせて、筋骨格系の異常も示唆されます。こうした身体的特徴が、恐怖の象徴として巧みに描かれているのも本作の魅力です。
🧠ウェンズデーの魅力
ウェンズデーは、冷酷で無表情ながらも、正義感と探究心に満ちたキャラクター。フェンシング、チェロ演奏、解剖学など多彩な才能を持ち、スマホよりもタイプライターを愛するレトロ志向。彼女の視点で描かれる学園生活とミステリーは、視聴者を独特な世界へと引き込みます。
🧜♀️異能者たちとの関係性
学園では、セイレーン族のビアンカ、人狼のイーニッド、ゴルゴン族のエイジャックスなど、個性的な仲間たちが登場。彼らとの友情や対立が、物語に深みを与えます。特にイーニッドとのルームメイト関係は、ウェンズデーの心の変化を象徴する重要な要素です。
🕵️♀️これから観る方へ
『ウェンズデー』は、ホラー、青春、ミステリー、ファンタジーが絶妙に融合した作品です。眼科医としては、ハイドの造形や幻視能力の描写に注目しつつ、物語の奥深さを楽しんでいただければと思います。第2部の制作も決定しており、今後の展開にも期待が高まります。
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