白内障

[No.3924] タリージェ(ミロガバリン)とリリカ(一般名:プレガバリン)はどう違う?

タリージェ(ミロガバリン)とリリカ(一般名:プレガバリン)はどう違う? 

タリージェ(ミロガバリン)とリリカ(一般名:プレガバリン)は、いずれも「神経障害性疼痛」に使われる同系統の薬。ただし細かな違いがあります。患者さん向けに整理すると以下のようになります。

  1. 共通点
  • どちらも「神経の過敏さ」を抑える薬で、しびれや灼けるような痛みを和らげます。
  • 帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害などに広く使われています。
  1. 効果の違い
  • 痛みの軽減効果
    臨床試験では、タリージェもリリカと同等の鎮痛効果を示すことが確認されています。
  • 効果の出方
    両薬ともに少量から開始して調整しますが、タリージェの方が安定して効果が出る症例があると報告されています。
  1. 副作用の違い
  • リリカ(プレガバリン)
    • 眠気、ふらつき、体重増加が比較的多い
    • 中止時に不安・不眠・けいれんが出ることがある
  • タリージェ(ミロガバリン)
    • 同じような副作用はありますが、眠気やふらつきがやや少ないと報告されています
    • 高齢者でも使いやすい場合がある
  1. 実際の使い分け
  • リリカで副作用が強く出た方にタリージェを変更するケースがあります。
  • 新規に治療を始める患者さんでも、タリージェを第一選択とする医師が増えています。
  • ただし、効果や副作用の出方は個人差が大きいため、実際には「どちらが合うか」を試しながら調整する必要があります。

まとめ

  • 効果はリリカとほぼ同等
  • 副作用の頻度はタリージェの方が少ない傾向があり、特に眠気・ふらつきに悩む方には使いやすい。
  • 最適な薬は人によって異なるため、主治医と相談しながら調整することが大切です。

 

鎮痛薬の比較表を「痛みの種類」に分けてまとめました。

痛みは大きく以下に分けられます:

  1. 侵害受容性疼痛(切り傷・関節炎・がんの痛みなど、組織損傷に伴う痛み)
  2. 神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛・糖尿病性神経障害など、神経そのものの障害による痛み)
  3. 中枢感作/過敏性疼痛(線維筋痛症など、神経が過敏になり痛みを増幅する状態)

鎮痛薬比較表

薬剤(一般名)

主な作用機序

侵害受容性疼痛

神経障害性疼痛

過敏性疼痛

主な副作用・注意点

アセトアミノフェン

中枢で痛みシグナルを抑制

有効(頭痛、発熱、軽度の痛み)

× 効果乏しい

一部の症例で補助的

肝機能障害に注意

NSAIDs(ロキソプロフェン、セレコキシブなど)

炎症性プロスタグランジン抑制

炎症性疼痛に有効(関節炎、術後)

× 限界あり

炎症を伴う場合に補助的

胃腸障害、腎障害

オピオイド(モルヒネ、オキシコドンなど)

中枢のオピオイド受容体に作用

強い痛みに有効(がん疼痛、術後)

一部の神経障害性疼痛に有効

効果は限定的

依存、便秘、眠気

プレガバリン(リリカ)

Ca²⁺チャネルα2δサブユニット結合神経過敏抑制

×

神経障害性疼痛で第一選択

線維筋痛症に適応あり

眠気、ふらつき、体重増加

ミロガバリン(タリージェ)

プレガバリン類似、より選択的に結合

×

神経障害性疼痛に有効(リリカと同等以上)

線維筋痛症にも応用

眠気・ふらつきが比較的少ない

デュロキセチン(サインバルタ)

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害

鬱合併例の疼痛に

糖尿病性神経障害に保険適応

線維筋痛症に有効

吐き気、不眠、血圧上昇

三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等)

セロトニン・ノルアドレナリン増強

一部の慢性痛

神経障害性疼痛に古くから使用

線維筋痛症にも使用

口渇、便秘、眠気

トラマドール

μオピオイド受容体作用+セロトニン・NA再取り込み阻害

中等度〜強い痛みに

一部で有効

線維筋痛症にも使う場合あり

依存、便秘、吐き気

ポイントまとめ

  • 侵害受容性疼痛 → NSAIDs・アセトアミノフェン・オピオイドが中心
  • 神経障害性疼痛プレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチン、三環系抗うつ薬
  • 過敏性疼痛(線維筋痛症など)デュロキセチン、プレガバリン/ミロガバリン、三環系抗うつ薬が中心

 

主治医にとっても鎮痛剤の使用は容易ではありませんが、患者さんお参考になれば幸いです。

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