清澤のコメント:大学にいたころに相談を受けることが有ったので、今でも眼瞼の良性と思われる腫瘤性症例では見かけの改善を目的に組織を完全に取って良性腫瘍の診断を付けることがあります。しかし、「表面が不整で、もしかしたら悪性かもしれない」と感ずる場合には、眼科で腫瘍を扱うことで知られる大学病院に、そのまま手を付けないで紹介するようにしています。悪性の場合には拡大手術や、化学療法、放射線療法など専門的な対応が必要になるからです。
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眼腫瘍・目の周りの「がん」について:眼科医の中村裕先生が、目の周りにできものができたときに考えられる原因や症状、治療法などを解説しています。(⇒記事にリンク)
- 良性・悪性腫瘍の見分け方:目の周りのできものは、良性のものも悪性のものもあります。見た目では判断が難しいこともありますが、悪性腫瘍は急激に大きくなったり、表面がごつごつしたりする傾向があります。
- 眼腫瘍の治療の流れ:目の周りのできものができた場合は、眼科専門医の受診が必要です。検査や診断の方法、良性・悪性の眼腫瘍の治療法や手術の種類などについて紹介されています。
- 参考記事:最近清澤が見かけた眼周囲のいぼは幸い思惑通りで、良性の脂漏性角化症でした。
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- 大学病院で診断される眼科悪性腫瘍にはどんなものが多いのでしょうか?
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清澤追記:それぞれのがんについて簡単に説明しますね。
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脂腺癌(汗腺がん、脂腺がん)は、皮膚を構成する様々な細胞に由来する希少ながんです。診断は生検を行い、病理組織診断により確定されます。治療は手術で切除することが最も確実な方法であり、放射線治療も行われます1。
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基底細胞癌は皮膚がんの中で最も頻度の高いがんで、紫外線が誘因となることが多いです。顔面に発生しやすく、手術で病変部位を切り取ることが一般的な治療法です23。
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扁平上皮癌は上皮性の悪性腫瘍で、皮膚に生じたものは有棘細胞癌と呼ばれます。扁平上皮癌は重層扁平上皮または扁平上皮化生した上皮の基底細胞から始まり、リンパ節へ転移しやすい特徴があります4。
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リンパ腫は血液がんの一つで、白血球の中のリンパ球ががん化する病気です。リンパ節に腫れやしこりが現れることがあり、全身どこにでも発生する可能性があります。日本人の90%以上は非ホジキンリンパ腫です56。
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メルケル細胞癌は、皮膚の中に存在するメルケル細胞ががん化してできるがんです。高齢者の頭部や顔面にできることが多く、紫外線との関連が指摘されています。診断は病理組織診断で行い、手術や放射線治療が治療法として選択されます78。
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