ウイルス性結膜炎でもっとも代表的なものが流行性角結膜炎です。これからプールを利用する機会も増えてきますので、眼科でもそれを疑うような症例を見る機会は増えてきます。
本日は、その検査をするキット(アデノチェック)を販売する参天製薬からアデノチェック販売中止のお知らせが伝えられました。とは言っても6社から同等の製品が販売されていますので、実際にこの検査ができなくて困ることはありません。
感染性結膜炎(流行性角結膜炎)とは?
ウイルス性の結膜炎の場合、家族など周りの方にうつしてしまう事があるため、特に注意が必要です。かゆみとともに非常に大量の目やにが出る場合ウイルス性結膜炎の可能性が高いと考えられます。
なぜ発症する?
アデノウイルスという非常に良くあるウイルスが、喉に感染すると喉風邪、鼻に感染すると鼻風邪、目に感染するとそれが「はやり目」なのです。
どんな種類がある?
流行性角結膜炎(はやり目)はアデノウイルスその他のウイルスが原因となって感染してから1、2週間で発症します。強い充血、非常に大量の目やにがあり、下まぶたの結膜に濾胞を認めます。咽頭結膜熱(プール熱)も発熱や咽頭症状がありますがアデノウイルスの他の型やエンテロウイルスが原因でプールで感染し、プール熱と呼ばれます。
結膜炎の症状は
目やに、充血ですが、感染性結膜炎ではどちらか片方の目から発症することが多いことに注意が必要です。やがて、反対の目にうつり、両眼性の充血になります。
結膜炎検査方法について
アデノウイルス検査キット
眼科では簡易的に診断する診断キットがあります。結膜から目やにと一部の結膜上皮細胞を採取します。それを溶かして、キットに流すと、アデノウイルスが結膜に存在するかどうかがわかります。
細隙灯顕微鏡検査
細隙灯顕微鏡での観察では、下まぶたの濾胞が観察されます。
結膜炎の治療・点眼による治療
非常に強い炎症が起き、角膜に炎症が強く起きると混濁を起こしますので、炎症を抑制するために薄いステロイド点眼を使用します。また、合併感染を防ぐために抗生物質の点眼薬を併用します。
合併症に注意
結膜の充血は可逆的ですが、角膜に混濁が残ると視力低下を引き起こすこともあります。経過中に角膜の混濁を検査する必要があります。
人にうつさないために
周りの人に感染を広げない注意が必要。接触感染ですので、できるだけ自分の顔を触らないこと、本人がよく手を洗う事、周囲の人も良く手を洗う事が感染予防に大切です。
学校に行けないのはいつまで?
流行性角結膜炎は、学校保健法で第三種に指定されており、非常に感染力が強いので、完全に治るまでは出席、出勤は禁止されます。医師が感染の恐れがないと判断するまで学校には行かせられせん。
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