緑内障

[No.3006] 緑内障の自覚症状と眼科での評価について

緑内障は、視神経が障害されることで視野が狭くなる病気です。繰り返しになりますが、緑内障の疑われる自覚症状と眼科で行う検査及びその評価について説明します。 

◎自覚症状

緑内障の初期段階では自覚症状がほとんどありません。進行すると以下のような症状が現れることがあります。その場合には眼科医にご相談ください。自覚症状が無くても、健康診断で眼底の異常から眼科受診を勧奨される場合があります。その場合も眼科を受診してください。:

– 視野の一部が見えにくくなる

– 視野の一部がかすむ

– 視野の一部が薄く見える

– 階段を踏み外す、物によくぶつかる

 

◎ 眼科で行う検査

緑内障の診断には、以下のような検査が行われます¹²:

  1. 眼圧検査:目に空気を吹き付けるなどの方法で、眼球内の水圧(眼圧)を測定します。10から20mmHg(ミリメートル水銀柱という圧力)が正常でそれ以上が高眼圧です。日本人の緑内障では眼圧の上昇していないものが6割を占めることが明らかになりましたので、現在ではこの値は参考にしかなりません。
  2. 眼底検査:無散瞳で撮影できる眼底カメラを用いたり、瞳孔を開く点眼薬を使用して、網膜の状態、特に視神経乳頭のくぼみ具合を評価します。垂直方向での乳頭陥凹60%未満が正常値です。
  3. 光干渉断層計(OCT):視神経乳頭の形状(特に視神経乳頭陥凹の拡大)や網膜の厚み(特に神経線維層の欠損による変化)を正確に測定し、緑内障を早期に推定します。
  4. 視野検査:1から3の検査で、緑内障が疑われる場合日は視野測定を行います。視野の欠損の有無やもし欠損があればその範囲を調べます。ハンフリー視野検査(Humphrey Visual Field Test)でのMD値(Mean Deviation)は、視野全体の平均的な感度の低下を示す指標です。緑内障の進行度に応じて、MD値は以下のように分類されます:
  • 軽度の緑内障:MD値が -6 dB より軽微な変化
  • 中等度の緑内障:MD値が -6 dB から -12 dB の間の低下
  • 重度の緑内障:MD値が -12 dB 以下への強い低下

これらの値はあくまで目安であり、個々の患者の状態や他の検査結果も考慮して総合的に診断されます。また、この値で長期にわたる進行程度が分かります。

これらの検査結果に基づいて、緑内障の進行度や治療方針が決定されます。早期発見と適切な治療が重要ですので、定期的な眼科検診を受けることをお勧めします。

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