清澤のコメント:鈴木幸久氏を中心に若倉先生のグループも交えてビジュアルスノウの研究を進めていますが、コントラスト感度低下が目立つ例が多いです:それが初めて引用可能なアブストラクトになりました:
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Visual snow患者の暗所におけるコントラスト感度低下
鈴木幸久1, 2, 3 清澤源弘 2, 4 石井賢二3
1; JCHO三島総合病院 眼科 2; 東京医科歯科大学 眼科
3; 東京都健康長寿医療センター 神経画像研究チーム
4; 清澤眼科医院
神経眼科学会抄録、2020
keyword: コントラスト感度, nyctalopsia, visual snow
【目的】visual snowは、視野内に砂嵐様のものがみえる症候群であり、羞明や残像現象、感覚過敏などと並んで、暗所視の不良を訴える症例が多い。コントラスト感度測定を暗所視の評価に利用できないか検討した。
【対象・方法】visual snow症例51例(男性19 例、女性 32例)および健常例20例(男性 6例、女性 14例)の暗所におけるコントラスト感度を測定した。visual snow群は、暗所視の不良を有する(暗所視不良群)41例(男性15例、女性 26例)と暗所視障害を自覚しない(暗所視良好群)10例(男性4例、女性 6例)に分け、3群のコントラスト感度の差について検定した。
【結果】健常群と比較して、暗所視不良好群では右眼全周波数領域と左眼低~中周波数領域のコントラスト感度低下がみられた。暗所視良好群は両眼とも全周波数領域においてコントラスト感度の低下はなかった。暗所視良好群との直接比較では、暗所視不良好群の右眼低~中周波数領域と左眼低周波数領域においてコントラスト感度の低下がみられた。
【考察】visual snowでは、暗所視時に自覚的ノイズの増加によって識字、書字、作図などに支障をきたすが、通常視力低下はみられない。コントラスト感度検査は、visual snow患者の視機能を視力よりも鋭敏に反映し、暗所視の評価に有用である可能性がある。
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