神経眼科

[No.925] 神経生理学的手法による瞬目分析用デバイス検証;論文紹介

清澤のコメント:眼球運動の記録に比べて瞬目の記録を脳神経機能評価に使える方法は多くありません。この論文は2つのあたらしい方法光学的な方法と、従来の表面筋電図の結果を比べて、結果が相当に高い相関を持っているということを示している技術的な報告です(inpact score 3.17)。この論文はその前文において「まばたきの動きには 3 つの異なるタイプがあります。(i) ボランタリー自発的なまばたき。 (ii)可変レートで無意識に発生するスポンタナス自発性まばたき、および(iii)眼窩上または角膜の電気的刺激または聴覚または視覚刺激によって引き起こされる反射性まばたき。 さまざまなタイプのまばたきに対する眼輪筋と上眼瞼挙筋の神経制御は、いくつかの神経解剖学的基質と、脳幹の最下部と皮質領域で部分的に重なり合う回路に依存しています。 自発的まばたきの神経制御の解剖学的枠組みは、主に前頭葉内側領域に集中しています [9]。」の部分で文献9として、2010年に鈴木幸久が書いた私も共著の論文(⇒リンク)を引用してくれました。

  ーーーー原著のアブストラクトーーーーー

Validating a Portable Device for Blinking Analyses through Laboratory Neurophysiological Techniques
研究室の神経生理学的手法による瞬目分析用のポータブル デバイスの検証
概要:まばたき解析は、健常者の生理メカニズムや神経疾患の病態生理メカニズムの理解に貢献します。今日まで、まばたきは、筋電図 (EMG) 記録や光電子運動解析など、さまざまな神経生理学的手法によって評価されています。新しいポータブル デバイスである EyeStat (ジェネレーション 3、blinktbi、Inc.、チャールストン、サウスカロライナ州、米国) を使用してまばたきの運動を記録し、その測定値を従来の実験室ベースの手法を使用して取得したデータと比較しました。16 人の健康な成人が、EyeStat デバイスと SMART 動作分析システム (BTS、ミラノ、イタリア) を使用して、voluntary随意的、spontaneous自然な、および反射的なまばたきの記録を受けました。まばたきの記録中に、表面電極を使用して眼輪筋からEMG活動が記録されました。まばたきデータは、専用のソフトウェアを介して分析され、分散の反復測定分析で評価されました。ピアソンの積率相関係数は、EyeStat デバイス、SMART モーション システム、および EMG データ間の関連性を評価するのに役立ちました。EyeStat と SMART システムの記録中に収集された EMG データに違いがないことがわかりました。EyeStat で記録されたまばたきデータは、SMART システムで得られた結果と線形関係を示しました (r は 0.85 から 0.57 の範囲、p は <0.001 から 0.02 の範囲)。これらの結果は、標準的な手法と比較して、このポータブル デバイスによるまばたき解析の精度と信頼性が高いことを示しています。EyeStat は、研究活動や日常の臨床診療においてまばたきの記録を容易にする可能性があります。
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