全身病と眼

[No.376] 新型コロナ後遺症治療の実際(平畑光一):読後印象録

https://youtu.be/NRVJzd4xDw0

清澤のコメント:新型コロナ後遺症治療の実際という記事が東京保険医新聞の2022年2月15日号に掲載されている。良くこの新聞記事はネットにも採録されているのだが、今回は見つからぬので、その要点を採録したい。一般眼科医もコロナ罹患後の患者に相談されることもあろうから、知識として知っておきたい。

   ーーーー内容の抄出ーーーー

新型コロナ後遺症はコロナ感染症の回復後に体のだるさなどを訴える症候群である。

後遺症の発症率は2-87%と報告により異なる。英国統計局は訳10%とする。筆者の感覚でも10%(国内で25万)であるという。「倦怠感群」と「呼吸器群」がある。日本では倦怠感群が多い。新型コロナ感染者の93%が「倦怠感」に悩む。思考力の低下(ブレインフォッグ)も相まって、日常生活に苦労する。

筋痛性脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS):この単語の理解が必要。悪化すると、筋痛性脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に移行してしまう事がある。CFSは労作後の極端且つ遷延する体調悪化を特徴とし、睡眠障害、高次脳機能障害、自律神経障害などを認める難治性疾患で、これに移行するとQOLを損なう。ME/CFSの大事な兆候は、心身の負荷の5-48時間後に倦怠感などの強い症状が出る(Post-exertional malaise: PEM)とよぶ。「怠くなることをしない」のが必要。無計画な運動療法は禁忌。患者たちに恨まれている「後遺症外来」では「どんどん歩け」と推奨し、寝たきりに追い込むことが多い。クラッシュ:ME/CFS傾向が強い場合、許容量を超えた運動、ストレス、頭脳労働で「クラッシュ」が起きる。クラッシュを繰り返すと、ME/CFSに移行しやすい。患者指導の際に「訓練」でできることは増えないと伝えることが大切。診断にあたって、肺炎、真菌炎、甲状腺機能障害、膠原病、膵炎など他疾患の除外をする。

治療方法:発症後12週以上で、準寝たきり異常のい約7割がかなりの改善を示した。一部の耳鼻科で上咽頭擦過療法がおこなわれ、かなりの患者で奏功するという。漢方、亜鉛製材、BCAAなどのサプリメントも考慮できる。(2021年12月19日新型コロナ後遺症研究会から)

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