清澤のコメント:慢性硬膜下血種に伴う片側の滑車神経麻痺の患者さんを拝見しました。鬱血乳頭もなく、頭部打撲の既往から外傷性の滑車神経麻痺を真っ先に考えましたが、私が見た後で眩暈や歩行困難などが強く出て画像診断で診断がつき、脳外科処置で症状が消えたという事でした。
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◎ 慢性硬膜下血種の眼症状:一般的な硬膜下血種の視覚関連症状を記載した論文は殆ど見られませんでした。わずかに臨床眼科 15巻4号 (1961年4月発行)硬膜下血腫の眼症状について小島 克 ほかあありますが内容は不明でした。
◎硬膜下血種の症状
硬膜下血腫の症状には次のようなものがあります。:
悪化し続ける 頭痛/悪心/錯乱/性格変化/眠気//ろれつ不良/複視/体の片側の麻痺/転倒/発作/意識喪失
硬膜下血腫にはさまざまな種類があり、医師は硬膜下血腫を、発生の速さ、出血の程度、出血による損傷の程度によって分類します。硬膜下血腫の種類は次のとおり。
- 急性:硬膜下血腫の中で最も危険なタイプです。症状は重度で、頭部外傷の直後、多くの場合数分から数時間以内に現れます。血液が溜まると、脳への圧力が急速に高まります。
- 亜急性:症状は通常、頭部外傷から数時間から数日、場合によっては数週間後に現れます。
- 慢性:このタイプの血腫は高齢者に多く見られます。出血はゆっくりと起こり、症状は数週間または数ヶ月現れないことがあります。軽い頭部外傷でも、慢性硬膜下血腫を引き起こす可能性があります。変化は非常に微妙でゆっくりと進行するため、高齢者やその友人や家族は症状に気付かない場合があります。
◎一般的な慢性硬膜下血腫の記載
慢性硬膜下血腫とは
慢性硬膜下血腫は、比較的軽微な頭部外傷、2週間から3ヶ月程度の時期に、頭蓋骨直下にある脳を覆う硬膜と脳との間隙(硬膜下腔)に緩徐に血液(血腫)が貯留する疾患です。高齢男性に多く見られるとされていますが(男女比7:3)、若年女性や頭部外傷歴がない人にも発症する場合もあります。
脳と硬膜を橋渡しする血管(橋静脈)の破綻などにより、脳表の髄液と混ざった血液成分が硬膜下に二層構造(外膜と内膜)の被膜を形成し血腫として成長するとされています。
症状について
外傷後数週間は無症候性のことが多いですが、血腫が徐々に増大するに従い、頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔気嘔吐など)、片側の麻痺(片麻痺)、しびれ、歩行障害、失語、認知機能低下(または短期間での進行)、意欲や活動性の低下などが生じます。
慢性硬膜下血腫の診断について
年齢、生活歴、病歴、症状などから慢性硬膜下血腫が疑われた場合、まずは頭部CT画像検査を行うことが一般的です。頭部CT画像では慢性硬膜下血腫は頭蓋骨と脳の間に、三日月状に描出されます。両側発症もめずらしくありません。
- <片側性>
慢性硬膜下血腫の治療について
血腫のサイズが比較的小さく症状が軽いものであれば自然治癒する場合や内服薬にて経過を見る場合もありますが、経過で血腫が増大してくるものや血腫のサイズが大きく神経症状をきたしているような場合には、外科的治療が必要になります。
外科的治療としては穿頭ドレナージ術があり、ドレナージに加えて血腫腔内の洗浄を追加する場合もあります。
術後は半日から1日程度、ドレナージチューブを留置した状態で管理を行い十分に減圧されていることを確認してチューブを抜去し、経過に問題なければ入院後約1週間で退院可能となります。
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