近視と近視進行、オルソケラトロジー、近視マネージメントについて
強度近視について: 近視が強くなると、眼球が変形し、失明のリスクが高まります。特に、-6.0D(または―8.00D)を超えるような強度近視の方では、20歳を過ぎても近視が進行する場合があります。2050年には世界人口の52%が近視になり、そのうちの10%が強度近視になると予想されています。香港では近視人口が62%、シンガポールでは53%、アメリカでも42%と、高い割合で近視が増えています。最近の研究では、近視の原因は遺伝よりも環境要因が強く影響しているとされています。例えば、日本では小学生の34%が近視であり、中学生では54%、高校生では67%に増加します。昭和54年には17%だった近視人口が、平成29年には34%にまで増えました。
近視進行の原因: 近視が進行する原因には、以下のような理論があります。
- 機械的緊張理論:眼球の成長と形状変化に関する理論。
- 軸外周差理論:眼軸の伸長と視力の関係に関する理論。
- 調節ラグ理論:眼のピント調整の遅れが影響するという理論。
オルソケラトロジーについて: オルソケラトロジーは、網膜周辺部にピントを合わせることで、眼軸の進行を抑える治療法です。強度近視の場合、近視性黄斑変性症を引き起こし、失明のリスクが高まります。実際、失明の原因としては4位となっています。
近視進行抑制の治療: 治療を行わない場合、近視は進行するとされていますが、治療を行うことで、進行を約半分に抑制できるとされています。以下の治療法が一般的です。
- 低濃度アトロピン:0.01%および0.025%のミオピンが使用され、近視進行の抑制効果が期待できます。
- 光学的アプローチ:多焦点コンタクトレンズがありますが、日本ではまだ広く使用されていません。
もう一つの光学的アプローチがオルソケラトロジーです。この方法は自由診療で行われ、保険が適用されない点にご注意ください。
オルソケラトロジーの費用について: オルソケラトロジーにかかる費用は次のようなものが含まれます。
- 適応検査代
- お試し費用
- 年間管理料
- 定期検査代
- ケア用品代
- レンズ代
初年度の費用は、これら全てを含めて(自由が丘清澤眼科の場合)約16.5万円となります。
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