朝日新聞デジタル:(どうしました)角膜が先天的に楕円形 大野京子さん2024年4月17日 5時00分
東京医科歯科大学の大野京子教授が3歳小児の乱視について朝日新聞の紙面で答えています。
その要点は;Q:3歳の孫娘が乱視と弱い遠視の疑いがあり、眼科で診察した結果、先天的に角膜が楕円形と診断されました。 A; 乱視の原因は9割以上が角膜によるもので、角膜が楕円形になる原因は主に遺伝的です。治療法としては、眼鏡をかけることが推奨されます。乱視が強く、矯正しても視力が上がらない場合、弱視になる可能性があります。弱視とは、幼い時期に強い乱視や遠視などが原因で視力の発達が止まってしまう状態を指します。生活上の注意点としては、物が見えないとぶつかったり転んだりする可能性があるため、周りの大人も気をつける必要がありますとのこと。
清澤の調査による追加事項:
乱視(アスティグマティズム)は、乳幼児や幼児でも一般的な視力の問題です。最近はスポット・ビジョン・スクリーナという3歳児でも屈折異常(近視、遠視、乱視)や眼位異常(内斜視や外斜視)を検出できる機材が普及したため、視力の記載のないこのような質問が寄せられることも少なくないようになったものと思われます。
- 乳幼児の乱視の原因:
- 乱視は、目の角膜またはレンズの異常な曲率によって引き起こされます。ただし、この状態への特定で普遍的な原因はありません。単に目の内部の構造的な問題です。
- 乳幼児の乱視のリスクを高めるいくつかの要因には次のものがあります:
- 家族歴:乱視は両親や祖父母から遺伝する可能性があると考えられています。
- 近視:子供が近視の場合、乱視を併せ持つリスクが高まります。
- 遠視:遠視の存在もまた乱視をより起こりやすくします。
- 妊娠中の母親の喫煙:研究によれば、妊娠中の母親の喫煙と子供の乱視の関連が示唆されています。
- 民族性:アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系の子供は、非ヒスパニック系白人の子供よりも乱視のリスクが高いです。
- 子供の乱視の兆候:
- 子供は自分の視力の問題を言葉で表現できないことが多いため、注意が必要です。
- 次のような症状に注意してください:
- 光の感度:乱視のある子供は、光をフィルタリングするのに苦労し、ぼやけたり線状に見えたりすると訴えることがあります。
- 片目を閉じるか目を細める:年長の子供は、視力を集中させるために目を細めたり、片方の目を覆ったりすることがあります。頭を片側に背けることもぼやけた視界を示す兆候です。
- 眼科医の診察で定期的に目や視力の問題を検出できるようにしましょう。
- 治療:
- 乱視のあるほとんどの大きな子供やティーンエイジャーは、眼鏡またはコンタクトレンズを使用して通常的に明確に見える状態を保つ必要があります。
- 幼少期の子供や軽度の乱視のある子供は治療を必要としない場合もあります。
- 子供は成長するにつれて乱視を克服することもあります。
乱視は一般的なものですが、子供の具体的な症例に最適な対処法を決定するために、小児の視力測定に習熟した眼科専門医の早期の受診をお勧めします。
4,視力矯正:
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- ある程度以上の乱視のある子供は、通常、眼鏡またはコンタクトレンズを使用して視力を矯正します。眼鏡は安全で簡単に使用でき、子供の成長に合わせて調整できます。
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コンタクトレンズは、年齢と成熟度に応じて選択されることがあります。ただし、子供がコンタクトレンズを使用する場合は、成人における場合以上に、適切なケアと清潔を保つことが重要です。
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5,手術の検討:
- 重度の乱視の場合、限定的ですが乱視矯正手術などが検討されることもあります。手術は通常、成長した後のティーンエイジャーに対して稀に行われます。
- それには、角膜屈折矯正(LASIK)や角膜リング(ICL)などの手術オプションがあります。ただし、これらの手術はほかの治療法でカバーできないような最終的な視力矯正方法として検討されるべきです
- 6.定期的な眼科検診:
- 子供の視力は成長と発達に伴って変化するため、定期的な眼科検診が重要です。眼科専門医は視力の変化をモニタリングし、必要に応じて調整を行います。殊に、永続的な弱視に陥ることが心配なため、左右の矯正視力に差があることが疑われるような症例では、6代までに眼鏡による視力矯正を完成する必要があります。
最終的な治療法は個々の症例により異なります。子供の視力に関する問題がある場合は、必ず眼科専門医と相談してください。
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当クリニックでもスポットビジョンスクリーナを導入してあります。
スポットビジョンスクリーナ
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