この珍しいヘルベストン症候群がなぜかネットで話題になっているようです。(学校で宿題に出たか?テレビ等で取り上げられたか?)調べなおしてみると、下の論文が最近では最も普遍的なもののようです。
Jin、X.、Peng、Y.、Al-wesabi、SA etal。ヘルベストン症候群(トライアド外斜視)の外科的管理。 Int Ophthalmol (2021)。https://doi.org/10.1007/s10792-021-02027-1
その論文の序章に曰く:
ヘルベストン症候群またはトライアド外斜視は、1969年にヘルベストンによって最初に記述されました。それは、Aパターンの外斜視、解離した垂直偏差(DVD)、および上斜筋過活動(SOOA)のトライアドによって特徴付けられます。
このトライアドの外科的管理の決定は非常に困難です。術後の眼球運動の調整を達成することを目的とした治療計画では、手術の起こりうる合併症と予測できない結果を考慮する必要があります。しかし、既存の報告は、異なる外科的アプローチと各手術のさまざまな結果を示しただけです。この研究では、遡及的にレビューされたヘルベストン症候群の52例の管理に、さまざまな外科的アプローチが使用されました。外科的効果を調査した経験を報告し、術前計画のための詳細情報を提供します。
もし私がこのような患者さんを診ることが有ったら、自分では手術が出来ないですから、小児の斜視を専門に扱う施設に紹介することにすると思います。
ーーーー旧清澤眼科医院通信の記事再録ーーーー
8178:Helveston 症候群
8178:Helveston 症候群
今日の症例はHelveston 症候群です。丸尾先生の教科書を参考におさらいしてみます。
Helveston症候群は:交代性上斜位、A型外斜視および上斜筋過動の合併しているもの。一眼の視力不良のものが多い。:とも記載されています。
話を戻して交代性上斜位とは:
①一眼を遮蔽したり、ぼんやりするとき、非固視眼が上転する。上転の程度には左右差のあるものもある。
②潜伏眼振latent nysTAGSmusを伴うことが多い。眼振の方向は固視眼に向かう
③水平斜視に伴うものが多い。
④弱視あるいは視力障害を伴うことが多い。
⑤Bielschowsky現象(解説は此処では省略)
⑥異常眼球運動:一眼が内転位で上転、あるいは内転位で下転
⑦Helveston症候群は:交代性上斜位、A型外斜視および上斜筋過動の合併しているもの
⑧頭位異常
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