清澤のコメント:私は輻輳不全のボトックスによる治療を行ってはいないですが、眼瞼痙攣の治療でボトックスを多用しているので、この薬剤には興味を持っています。その治療法についての報告が見られましたので、採録しておきます。最近、日本でも斜視治療にボトックスを使うことが保険診療で認められましたが、これを実際に行っている医療機関は少数に限られています。
ーーー論文記事採録ーーーー
Journal of Pediatric Ophthalmology & Strabismus
概要
目的:
ボツリヌス毒素 A 注射以外の非外科的および/または外科的オプションで以前に管理された輻輳不全患者の一方または両方の外直筋へのボツリヌス毒素 A 注射の効果を評価すること。
方法:
2013 年から 2018 年にコペンハーゲン大学病院の眼科、Rigshospitalet-Glostrup で一方または両方の外直筋へのボツリヌス毒素 A 注射で治療された症候性輻輳不全のすべての患者を遡及的にレビューしました。すべての患者は近見障害症状があり、以前にコンバージェンス エクササイズ、プリズム、および/または手術の組み合わせで治療されていました。外眼筋に以前にボツリヌス毒素 A を注射した患者は除外されました。近距離と遠距離での読書症状と偏差は、ベースライン時と 1 か月後および 6 か月後に記録されました。
結果:
輻輳不全の 23 人の患者が含まれていました (男性 8 人、女性 15 人)。追跡調査は、中央値 47 日 (四分位範囲 [IQR]: 31.5 ~ 72.5 日) および 174 日 (IQR: 139 ~ 267 日) 後に実施されました。ベースラインでは、偏角の中央値は 18 PD のエクソフォリア (IQR: 13 ~ 21 PD) でした。近見での逸脱は、最初のフォローアップ来院時に 10 PD (IQR: 7 から 17 PD)、最後のフォローアップ来院時に 14 PD の外斜視(IQR: 12 から 18 PD) に減少しました。患者 23 人中 13 人 (57%) と 13 人中 3 人 (23%) が、ベースラインと比較して、それぞれ最初と最後のフォローアップ訪問で症状の読解力が改善したと報告しました。
結論:
ボツリヌストキシン A 注射は、輻輳不全の患者に役立つ場合があります。ただし、患者によっては繰り返し注射が必要な場合があります。
[ J Pediatr Ophthalmol Strabismus。20XX;X(X):XX-XX.]
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