社会・経済

[No.963] 炎上プロジェクトに必ず共通する「ある問題」:記事紹介

「炎上の火消し」ができない会社に共通する盲点、炎上プロジェクトに必ず共通する「ある問題」:記事紹介

清澤のコメント:幸い現在の「自由が丘清澤眼科」では炎上問題はまだ発生してはいない。以前関与した医院には、組織図などを作成調整することに関心のあるスタッフがいた。眼科の専門医院院長には、事務系と検査系スタッフの調整は大仕事であった。現況では、院長以下常勤はたった3名であり、非常勤を加えても職員は10名を超えないので、その必要性も感じてはいない。しかし、今後人数が増えれば、医院の目標設定やその未達に対する準備も再び必要になるのかとも思われた。これを考えるヒントとなる恰好な記事が出ていたので要点を採録してみよう。以前、リーダーが一人で指示指導できる部下は5人までということを何処かで聞いた。軍隊に伍長が必要な理由がそこにあるという説明に妙に納得したことを思い出す。出典:https://toyokeizai.net/articles/-/618163

  ーーー記事の要点ですーーー

木部 智之 : デロイトトーマツコンサルティング合同会社ディレクター 

プロジェクトが炎上した際、火消しできる会社とできない会社がある。部署レベルで見た際、後者に必ず共通する「ある問題」とは?(写真:metamorworks/PIXTA)
IT業界において、当初の計画や予算通りに作業が進まず、納期までの達成が不可能になった事態を指す「炎上」。木部智之氏は、「トラブルの火消しにもセオリーはある」と話す。
新著『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』から

炎上プロジェクトには必ず「人の問題」がある

プロジェクトは人で構成され、運営される。実態を知る上で、必ず確認するものが「体制図」です。

プロジェクトが炎上している以上、そのプロジェクトには人の問題、チームの問題が必ずある。まずはプロジェクト体制を知っておくことが重要です。 

体制図から知りたい情報は次の項目です。

・人数、チーム数 
・リーダー、キーマン 
・指揮命令系統

体制図の見方は「プロジェクト計画書」「課題管理表」「進捗報告資料」と一緒に見ること。

プロジェクト計画書と見比べると、プロジェクト全体のスコープに対してどのような役割分担、チーム構成にしているのかがわかります。人数が多すぎたり少なすぎたりも探れる。肝となるチームやメンバーなども見えて来る。

課題管理表と進捗報告資料からは、チームごとの状況の濃淡が見えて来る。課題が多いチームはチーム統制が取れていなかったり、難しい範囲を担当していたりする可能性がある。進捗報告資料も同様で、いつも遅れがあるチーム、順調に進んでいるチームがわかる

リーダーと主要メンバーもおさえておく。主要メンバーは課題管理表や進捗報告資料から割り出す。課題管理表には主担当の名前が書かれていて、よく出てくる名前がわかる。それら数人がプロジェクトの主要メンバーである可能性が高い

プロジェクトが炎上した要因は、1人ひとりのメンバーというよりも、リーダーや主要メンバーにあることがおおい。

1人で局面を変えることはほぼ不可能

プロジェクトが炎上したのなら、これまでの体制やメンバーに何かしらの原因がある。リーダーが1人替わっても、これまでのプロジェクトメンバーだけではリカバリできない。そのチームは、プロジェクトを炎上させてきたチームだから。どんなにあなたが優秀でも、1人で局面を変えることは難しい。

そこで必要となるのが「懐刀」です。「懐刀」は自分が信頼する参謀ともなるメンバー。私が火消しをスタートする時は、必ず優秀なメンバーを連れてきて一緒にプロジェクトを進めます。

その際は、自分の持っていない特徴を持っている人を引き込むことが多い。たとえば、自分よりも技術的に長けている、とか、メンバーの人心掌握術が高い、など、そのプロジェクトで私自身のスキルだけでは足りない領域を補う目的。当然ながら、リーダーがすべてのことをできるわけではない。自分に足りないところを人を集めて補う、ということもリーダーの仕事。

既存メンバーから優秀な人を見つけ出す

他所から人を引っ張ることができないこともある。その場合は、自分の参謀、右腕となりうる人を探す。プロジェクトに何人かはキラリと光るものを持ったメンバーがいる。そのメンバーを自分に付けプロジェクト立直しの要職を担わせる。

懐刀には置き場所があります。自分の直下です。プロジェクト横断で動けるポジションで、特定の領域を持たせずに、自分と同じ範囲でプロジェクトを見られるようにする。

時には、参謀をチームとして組閣する時もある。その際も「プロジェクト推進」などという名前のチームにし、プロジェクトメンバーからの見え方にも配慮。私は「SWAT」と名付けたこともある。これはアメリカ警察の特殊部隊のこと。

これからプロジェクトをリカバリするために、プロジェクトメンバーの力量を把握する。一歩進んで、メンバーのスキル評価を行う。スキルの評価や見える化は困難。評価者の主観的評価になりがちで、定量化と客観化が難しい。

スキルは定量的に評価できない、と思われがちですが、それは間違い。スキルの定量的評価は可能。主観でチームメンバーのスキルを5段階評価し、それを定量評価とする。主観的な定量評価は、属人的な数字にはなるが、数字で評価可能。

スキル評価は評価者の主観評価。時には、好き嫌いも入るが、仕方ない。が、それを客観化することは可能。その方法は、評価者を増やすこと。

プロジェクトでは2人、3人と評価者を増やす。 

スキル項目を決めてスキルレベルを数値化する 

スキル評価時は、メンバーをリストアップして評価するスキル項目を決める。スキルレベルを数値化すればいい。 

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」

『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』(KADOKAWA)。

私が30人くらいのチームを引き継いだ時に実施した内容:そのチームのスキルバランスに課題があると思っていたので、その仮説を可視化して検証できるようにじた。 

スキル項目は、開発対象の業務知識、システム設計、プログラミング、マネジメントと定義し、私と他2人、合計3人でスキルレベルを入力した。結果、開発対象の業務を理解してシステム設計をできる人が足りていないという結果が出た。 

この評価をもとに不足領域の体制強化を図り、炎上チームを新体制で推進、解決することができた。 

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