堀江氏の博識には脱帽。日本の研究費は5兆円もあったのか?
ーーー要旨ーーー
(山中)日本は東大とか京大の教授でも給与は非常に安く、若い人たちが憧れる目標にはなれない状態だ。生命科学の研究者もベンチャーで成功した人もいるが、多くはアメリカが主戦場になっている。
(堀江)投資の集まり方とか、人材が必要。人材も人材を雇うだけのお金だ。日本には、アジアにない東京証券取引所というマーケットがあり有利だ。アジアのマネーをもっと東京に集めてもいい。そこは税制など制度上の工夫が必要。もう一つは英語。日本語の壁ってやはりあり、英語を準公用語化するとかが必要。
(山中)日本はIPS関係のスタートアップかなりできているが苦戦してるとこも多い。お金の入れ方を考えている。
(堀江)最近政治家とか官僚と話す機会が多く、分かったこと。お金の流し方が問題。実は日本は豊かな国でその過去の蓄えが多い。今は、もう加工貿易ではなく、国の中だけで金が回っている。その豊かなお金の使い方を間違えている。高度経済成長期の仕組みがそのまま利権として残った。特にその伸びそうなこういった生命科学とかの分野とかにもっと投資をすべきと思う。それをやるために政治家に言わないと官僚は動かない。政治家は官僚に強い。この分野に関してはまあお金の流れを変えさえすれば、日本にもチャンスがある。
(山中)日本は、恵まれた国で国家予算の科学研究費だけ見ても年間5兆円。膨大な額だからまだまだ私たちの国もチャンスはあり、昔に比べると日本の地位がだんだん下がっているが、これは予算の問題もちろんあると思う。研究者育成であったり、その同じお金であっても使い方によってずいぶんまだまだ挽回できるチャンスがある。アメリカと日本で行ったり来たりしているが、だいぶ違う。学生の様子見ても、5年とか10年くらい前まで一番優秀な学生は製薬など大手企業に行きたがった。アメリカの優秀な若い子たちはそこには行かない。ベンチャーに行きたい、もしくは自分でベンチャー作りたいという。今だいぶ日本の若者も自分でなんかしたいという人増えてきているので頼もしい。IPSの先ほどの政府の予算のところの話でこういった声もあるというところで、この10年間の予算配分に対する疑問の声とか、一方世界ではIPSよりES細が主流だ。僕たちは10年前からかなり大きな支援を得て僕たちとしては、国民の期待に沿うようにも必死に、頑張るしかなかった。同時に、もう10年前からそのIPSが原因で他の研究分野がもし研究費が下がったりしたら全然望ましい状況じゃない。日本の科学研究費国の予算だけで5兆円あるから再生医療は年間110億なんだが、iPSに来てるのは年に50億60億円。年間5兆円から言うと0.1%。その0.1%の配分で他の分野が他の重要な分野の予算が減るような国では日本はない。ES細胞というのは非常に大切な細胞で僕もES細胞の研究から入って、ただES細胞の唯一最大の問題は人の受精卵を使うっていうところで、これがこれは個人によって意見が分かれると思うが、僕自身はできたら使いたくない。アメリカでも元々ES細胞をやってたところがIPS細胞にどんどん投資がシフトしてきてる。これはES細胞があったから僕たちの研究があって。高橋先生の研究も元々ES細胞だった。IPSに結構スイッチが簡単にできたっていうところはある。原料が違うだけであと全部一緒。
(堀江)日本では防衛予算がやっぱり使いづらいみたいな雰囲気というかある。ここから変わっていくと思いますが、国家安全保障とかそういった文脈で当然変わっていく。そこはやっぱアメリカ強い。何になるのかわかんないみたいな研究にかなりお金つきます。何になるのかわかんない研究とかをやっとかないと次につながらないから。それをその実用化してそれ何に使うのみたいな話になってくる。先日理研に行って光格子時計の研究を見学させてもらった。300億年に1秒しかずれない時計だ。これは実用的じゃないと思われるが、実は実用的だ。そういう時計を作れるコンセプトを持ってるだけだと、誰も話し聞いてくれない。実際に物があって200キロぐらいに収められるぐらいまでコンパクト化されてる。これだと、と物の大きさとか重さとかを正確に測定できる。それができると例えばミリ単位で計測できるGPSとかもできる。この地面って実は微妙にゆれている。マントルっていう流動体の上をに地殻はある。宇宙から計測することができると、地震とかを見つけることができるかもしれない。そんな状況が日本にはあって、科研費だけだと足りない。もっと防衛予算も僕は使うべきだと思っている。すごくやっぱり先人たちの優れた技術があるので、まず基礎研究にある程度お金を使うことが大事だし、もう一つはその企業化だと思う。
前回の続き:
コメント