産経新聞社が発行する「夕刊フジ」の休刊が迫っています。タブロイド紙には私のインタビュー記事も時々掲載され、それがヤフーニュースにも転載されることから、私自身もお世話になっているという意識がありました。先日、しばらくぶりに親しくしている他社の新聞記者と会う機会があり、紙媒体のマスコミ経営が非常に厳しい状況にあるという話を改めて聞きました。実は、夕刊フジが2024年1月に休刊することは、すでに決定していた事実だそうです。私はそのことに気づいていませんでしたが、どうやら読者はネットに移行したというよりも、全体としてニュースをあまり見なくなっているのだということです。
夕刊フジは、産経新聞社が1969年に日本初の駅売りタブロイド紙として創刊したもので、鋭い政治批評や、1990年代後半に野茂英雄選手の大リーグ活躍報道で特に注目されました。一時期は首都圏で100万部、関西圏で50万部を超える発行部数を誇りました。また、2008年には「タクシー居酒屋問題」のスクープで話題を集めました。しかし、2006年頃からインターネットの普及に伴い、発行部数が低迷し、赤字経営が続いていました。さらに、近年は紙代の急騰や物流費の増加といった業界全体のコスト上昇が経営を圧迫していました。
夕刊フジの休刊は、その紙自体の問題にとどまらず、ライバル紙である「日刊ゲンダイ」や「東京スポーツ」など、他の新聞社にも深刻な影響を及ぼすと考えられています。これらの夕刊紙は長年、新聞輸送のコストを分担し合ってきましたが、夕刊フジが休刊することで、残された2社に大きな負担がのしかかることが予想されています。特に物流費の増加により、経営がさらに厳しくなる懸念があり、今回の休刊決定は業界全体に波紋を広げ、多くの新聞社にも影響を与える事態となっています。
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