タリウム殺人事件がありました。そこで私はタリウム中毒の眼症状を調べてみました。タリウムは先日調べた水銀に近い周期表の重金属です。タリウムを使った殺人や傷害事件は何件かの前例があります。
タリウム中毒の眼科的特徴::
概要
タリウム中毒は、痛みを伴う末梢神経障害、脱毛症、精神障害の発症を特徴とし、重症の場合、呼吸不全および死に至ります。中毒性視神経症も特徴です。タリウム中毒の眼科的特徴には、視神経症、眼瞼下垂、水晶体混濁、および眼筋麻痺が含まれます。致死量以下のタリウム中毒を起こした 44 歳の男性が、古典的な全身症状で神経科を受診してから 1 か月後に検査を受けました。彼は、視神経萎縮を発症する前に、コントラスト感度の低下、色覚の第3色覚障害、および相対盲点中心暗点を持っていることが判明しました。
ーーもとになった事件ーーー
京都・女子大生タリウム殺人事件、男は「舞妓ビジネス」を手掛けるやり手経営者。配信
「舞妓遊びを懐石料理と共に」こんなキャッチコピーで京都の舞妓遊びをプロデュースしていた花街の“顔役”が女子大生を毒殺した疑いが強まった。大阪府警捜査1課は3月3日、京都市左京区の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)を殺人容疑で逮捕した。
タリウム中毒による急性呼吸窮迫症候群が死因
大阪府警捜査1課は3月3日、立命館大3年生だった浜野日菜子さん(当時21歳)に劇物のタリウムを投与して死に至らしめたとして、京都市左京区の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)を殺人容疑で逮捕した。浜野さんは宮本容疑者が副業で経営しているイベント企画会社でアルバイトスタッフとして働いていた。昨年10月12日午前、同市北区のマンションの浜野さんの自室で犯行に及んだとみられ、体調の急変した浜野さんは救急搬送された大阪府内の病院で3日後の同15日に死亡した。症状の推移などから不審に思った医師の通報を受けた府警が司法解剖したところ、尿などからタリウムを検出。タリウム中毒による急性呼吸窮迫症候群が死因と断定し、捜査を続けていた。タリウムは殺鼠剤などに使用される重金属。常温では非常に柔らかい固体で毒性が強く、硫酸タリウムや酢酸タリウムなど一部の化合物は劇物指定され、18歳未満への販売制限がある。成人の致死量は約1グラムで、過去にもタリウムを使った事件が起きている。
不動産業の傍ら2020年に観光客向けのイベント企画などを目的とした会社を設立。京都五花街の一つ、宮川町の置屋(お茶屋)を親族と共に買い取り、京都市中京区に料亭を開業、芸舞妓のお座敷付きの「舞妓ディナー」などの事業を始めた。 宮川町には宿泊施設も構えており、舞妓ショーや舞妓ツアーなどのイベントも手がけてきた。被害者の浜野さんは大阪府出身で、立命館大進学後に一人暮らしを始め、宮川容疑者が手掛ける会社でアルバイトをするようになったという
外国人のお客さん相手に板前や舞妓を呼んだりしていた
宮本容疑者が「舞妓ビジネス」の拠点として選んだ宮川町とはどんなところなのか。京都には北野天満宮近くにあり最も古い「上七軒」、八坂神社門前で夏目漱石ら多くの文豪にも愛された「祇園甲部」、明治時代に祇園甲部から独立した「祇園東」、鴨川の西岸に沿った飲食店などで栄える「先斗町」、清水寺や三十三間堂などの名刹に近い「宮川町」の五つの花街があり、それぞれの花街が芸妓・舞妓の晴れ舞台である舞踊公演「をどり」を毎年開催している。 宮川町は五花街の中では最も南に位置し、芸舞妓の数は祇園甲部に次ぐ規模を誇り、毎年4月に開催する「京おどり」も人気を集めてきた。
宮本容疑者の自宅は、京都市左京区の昔ながらの趣を残す住宅街にあるが、中でも宮本家は威容な佇まいの大邸宅だ。 京都が誇る文化を世界に発信するはずが、女子大生殺人の容疑者としてアピールしてしまった舞妓プロデューサー。事件の全容解明が待たれる。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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タリウム 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
特徴
単体は常温では銀白色の柔らかい金属として存在し、αタリウムが最安定である。水と反応して強塩基の水酸化タリウムを作り、体内に入るとカリウムイオンと置き換わることで毒性を示す。
主な用途
- 殺鼠剤
- 化合物が利用される。農薬としては、2015年12月14日失効。
- 工業用試薬、放射性医薬品(201Tl)、シンチレータ、光学
かつての用途
第二次世界大戦以前には、顔面の脱毛クリームとして販売されていたが、製造業者や使用者のタリウム中毒が多発したため、現在ではタリウムを使用した脱毛剤は販売されていない。
毒性
皮膚、気道からも良く吸収される。毒性は、評価を行った機関により様々な数値が存在している。
- 単体タリウム
- ヒトの中毒量は、最小中毒量 5714 µg/kg(男性)
- 酢酸タリウム
- ヒト致死量は、最小致死量 12 mg/kg
硫酸タリウム、酢酸タリウム及び硝酸タリウムは毒物及び劇物取締法で劇物に指定されている。
中毒
特徴的な症状は脱毛で、摂取後数日で現れる。また、外見的な異常として皮膚炎、脱毛、神経障害(失明、下半身不随など)、爪の異常を起こす。
タリウムは組織細胞内でカリウムと置き換わり細胞膜を脱分極させる(細胞毒として作用する)ほか、細胞骨格を構成するタンパク質であるケラチンのメルカプト基架橋結合を遮断、タンパク合成を阻害することで毒性を表している。
- 主な症状
- 循環器系
- 頻脈と血圧上昇または低下、不整脈、徐脈、心電図異常(T波異常)
- 呼吸器系
- 死因 – 呼吸不全、急性呼吸促迫症候群 (ARDS)、急性肺傷害が摂取後24-72時間遅延して発現することがある、胸痛、無呼吸
- 神経系
- 知覚異常、筋痛症、末梢の灼熱感、激痛を伴う下肢の知覚性神経障害、筋力低下、脳神経麻痺、痙攣、せん妄、昏睡
- 消化器系
- 大量摂取の場合は急性症状として、一過性の悪心、嘔吐、下痢。少量では24-48時間程度遅れて症状が現れる。胃炎、十二指腸炎、麻痺性イレウス
- 肝症状
- 肝機能障害
- 泌尿器系
- 蛋白尿、円柱尿、乏尿、血尿、クレアチニンクリアランスの減少、血中尿素窒素の上昇、尿の緑色への着色
- ほか
- 低カリウム血症、日光過敏症
中毒の診断
確定診断は尿への排泄量を測定することで行われる。
- 24時間尿中のタリウム濃度
- 正常 – 5 ng/mL以下(原子吸光分析による)
- 全血血中濃度
- 正常値 – 2 µg/L以下
- 中毒濃度 – 100 µg/L以上。
- 200 µg/L以上
中毒の治療
殺鼠剤の誤飲などの事故でタリウムを摂取した場合は、胃洗浄、活性炭投与、人工透析、血漿交換、排出を促進する利尿などの対症療法が基本であり、体内除去剤として放射性セシウム体内除去剤としても利用されるラディオガルダーゼという商品名のプルシアンブルー(紺青、ヘキサシアニド鉄(II)酸鉄(III)水和物)を使用する。
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