◎ ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回で69号です。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に754人になりました。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。一度読めたのにメルマガ配信が中断した方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入った可能性がありますので当院職員にご相談ください。
① ご近所の話題など
◎ 自由が丘でランチ:舟和カフェ
舟和カフェは女神通り沿いにあるカフェで、浅草の有名和菓子屋の自由が丘における支店です。医院と自由が丘駅の丁度中間です。店構えはおとなしく、一階は15席程度ですが2階3階も有し、上の階の窓際からは女神通りが広々と見下ろせます。スパゲッティーを一階で発注して上に上がってお休みください。
◎ 点描画家【スーラ】細か〜い理論で作られた色と光に注目!前田五郎氏作成の動画
スーラは31歳で世を去ったフランスの画家で、細かい多数の色点で絵を描いた人です。単に見たものの印象をカンバスに再現するのではなく、ヒトの眼の色の感じ方を科学者のように突き詰めて明るく輝く緑の色を混ぜて作った緑の絵の具ではなく、ほかの色で描いたそうです。同時代の印象派画家からは理屈っぽすぎると批判されたという話がこの動画で聞けました。
②一般患者さん向けの眼科の話題
◎ ネット情報にご用心、目の病気は信頼できる情報源で。眼科学雑誌記事の紹介です。
今や、スマートフォンひとつで病気について調べられる時代です。その情報は果たして正しいのでしょうか?2025年4月に発表された興味深い研究が、この問題に警鐘を鳴らしています。Redditという海外のSNSで「網膜剥離」「黄斑浮腫」「黄斑変性」「糖尿病網膜症」などをテーマにした投稿とコメント計407件を解析。その結果、41%の記述が医学的に不正確でした。
◎ 人工水晶体と後嚢の間に混濁液が貯留して視力が下る状態(液体後発白内障)で白内障術後の視力低下が起きることがあります。
人工水晶体と後嚢の間に混濁液が貯留して視力が下る状態は特に白内障手術に硝子体切除術が併せて行われた後、数年で発生することが多いそうです。眼底の透見が悪化しますが、水晶体後嚢の混濁ではなくレンズと後嚢の間に混濁液が溜まっています。ヤグレーザーで済むか、再度の硝子体手術までを必要とするかの判断が重要です。
◎ 糖質疲労とは:その言葉の起源と意味、目との関係は?
これは高血糖や血糖値の急激な変動で、体内のエネルギーバランスやホルモン調整が乱れて酷い疲労を感ずるという概念です。従来からあった食後のオキシハイパーグリセミアとも似た概念です。その害と対処法が述べられています。
◎ ノイロトロピンというのは慢性疼痛を止めるのに使われる薬剤とされますが、動物の皮下に感染を作りその抽出物を精製したという現在の医学とは思われない製法による温故知新的なものです。ほかの鎮痛剤との併用で更に効果を良く発揮できるともいわれています。以前は飲み薬と注射液の製剤が有ったそうですが、現在は注射液だけが販売されているそうです。
◎ 上衣腫は脳幹や第3脳室に現れることのある脳腫瘍ですが、鬱血乳頭や眼振、複視などの眼症状を起こすことがあり、脳外科診療は勿論必要ですが、眼科でも眼症状の評価が必要です。
③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です
◎ 解説「近視における球面等価」と軸方向の長さを超えて:
同じ近視度数の強度近視でも近視性障害の強い目と弱い目があります。AIに眼底写真を読み取らせることでその障害度を評価する眼底屈折オフセットという概念を導入した研究が出版されました。
◎ 人工知能が切り開く未来の眼科医学という論文の紹介です。
眼科の画像判定は人工知能が入り易い領域なのかもしれません。通常の眼底写真の読影にも既にAIが入って来ました。従来は眼科医に読影を依頼していたものをAIに読影させ、内科医がその結果を軽くチェックするといったやり方も我々の周りには既に入って来ているように感ずるこの頃です。
◎ 中等度までの小児の眼窩蜂窩織炎(眼周囲の感染症)には点滴の抗生物質が有効です。論文紹介
風邪や副鼻腔炎をきっかけに眼球周囲の組織に感染症を起こして、目の周りが腫れあがるという小児の中等度の眼窩蜂窩織炎には外来で行える抗生物質の点滴が有効だという論文がオーストラリアから発表されています。いずれにしても緊急の対応が必要ですが、従来は入院させて行われる治療が中心でした。
◎ 血液のサンプルで結腸直腸がんのスクリーニングができるという医療技術が注目されていて、それに対するJAMA米国医学界雑誌の編集者のコメントが発表されています。血液で簡便かつ鋭敏に調べるという方法論と、その結果を個々の市民がどう受け止めるかという2つの議論があります。
④ 眼瞼痙攣など神経眼科関連の話
◎ 眼瞼・顔面けいれん友の会 会報 2025年5月第37号が届きました。この冊子を入手したい方は、当医院で受け取るか、あるいは会の事務局にご相談ください。
◎ ビジュアルスノウ症候群とは?「視界がザラザラ」する不思議な症状と心の健康との関係
2023年、アメリカ・アイダホ州で起きた大学生殺害事件の犯人ブライアン・コーバーガー氏に関する報道の中で、彼が過去に「ビジュアルスノウ症候群(Visual Snow Syndrome)」を患っていた可能性が指摘されました。このことは、犯罪との直接的な因果関係を示すものではありませんが、あまり知られていないこの症状について広く知ってもらう機会となりました。
このブログには眼瞼痙攣や神経眼科に関連した発信が多いです。(リンク⇒眼瞼痙攣の記事一覧をご覧ください)。今週で大型連休が終わりました。体調に気を付けてお盆までまた走り続けましょう。
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