小児の眼科疾患

児童生徒の近視進行予防対策は?

清澤のコメント:近視児童も増えているが、それに対抗する対策も出てきている。学習塾も多い自由が丘に11月1日新規開設を控えて、清澤眼科通信にも「小児の近視対策」全体を俯瞰する記事を採録して置きたいと思いこの記事を記載して見た。
  ―――――――
11歳児の半数が1.0未満。1日2時間は日光下が良い。(2021年10月12日河北新報掲載の加藤圭一医師の記事も参考に清澤の考える近視対策をまとめる。) 小学生の視力低下が進む。文部科学省の2020年度学校保健統計調査によると、裸眼視力が1・0未満の11歳児は49・47%。1980年度は23・87%だったから、大幅に増えている。目の悪い小学校高学年は既に半数。
「進行予防」に留意、端末見続けないで
低視力の小学生が増えた主要因は近視。世界中で近視が増えているが、アジア系の民族は遺伝的にも近視が多い。其処に環境要因が大きく作用している。
 子どもの近視が進行は一般に高校入学くらいまで。治療法はまだ確立されていないし、遺伝的要因も避けられない。そこで、『進行予防』が必要。それには1000~3000ルクス以上の明るさでの生活がよい。屋外では曇天や木陰でも3000ルクスくらいあるから、1日2時間は日の光の下での生活が推奨され、中国では戸外での給食摂食なども指導されている。 
スマートフォンや携帯ゲーム機は、近くで見がち。液晶の不鮮明画像も近視化を促す。小さなデジタル端末はなるべく使わない方が良い。日本眼科医会は、近方を30分見たら遠くを20秒以上見ることを勧める。
子どもの近視の早期発見には?
 年1度の学校健診で、1・0未満の判定(A以外のB,C,D)が出た場合は眼科受診を推奨する。視力が悪いと、授業理解度が下がり、成績の低下も。マイナス6D以上の強度近視では、近視性黄斑変性や緑内障などの病気による中途失明リスクも高い。
児童生徒の視力低下傾向が続いているのを受け文部科学省は来年度新規事業で、近視の実態とライフスタイルとの関連を調査し対策を検討する「近視実態調査事業」に着手し9000人を調査した。其処では視力や屈折度数、眼軸長測定、生活習慣などの調査の結果を出すという。子どもたちの生活実態に基づいた近視進行予防の指導が可能になると期待される。
子ども用の眼鏡他:
 子どもの視力低下が分かったら、眼科で再度視力測定を受ける。子ども用の眼鏡も多彩で、安全性やデザイン性に優れた製品が増えている。経済的状況もあろうが、安物でも良い訳では無い。医師の推薦できる店がよい。
保険適用外だがオルソケラトロジーは夜間にハードレンズをつけて睡眠。角膜表面の変形で翌朝から裸眼視力が上がる。数日で戻るから、毎日使う必要がある。使用は自然条件より近視進行を3割ほど減らすと報告されている。コンタクトレンズにも遠近型にして近視進行を減らす物の報告がある。スポーツなどでコンタクトレンズを使いたい人も、十分に眼鏡を使えてからが良い。また、これも保険適用外だが、低濃度アトロピン点眼療法でもシンガポールや中国で近視進行予防効果のエビデンスが出ている。今後の広がりが期待されそう。
日本眼科医会では参天ビデオライブラリーで小児の近視予防を論じた東京医科大学の大野京子教授の手で動画を作成中です。その中では、上記のような近視進行予防法も紹介される見込み。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。