すぐに臨床に役立つドライアイ診断と治療:涙液油層に向けたドライアイ治療を聞きました。
涙液油層は、15-100ナノメートルと薄く、他の層の100分の一の厚さです。マイボーム腺は:独立皮脂腺であって、上は25本、下は20本程度あります。分泌物はワックスやコレステロールが多く、涙液とマイボーム腺分泌物は成分が違います。
TFOT(ティーフォット)に基づく温罨法などが行われています。
マイボーム腺の不具合にはドライアイ、マイボーム腺機能不全(MGD)その他の合併症があります。
◎各種のMDGの治療法としては、
○ リッドハイジーンでは:脂質の排出を測ります。初期は一日2回やがて1回でよく、自覚症状とBUTの改善を目指します。具体的には1)アイシャンプー、2)ティーツリー(目に沁みない泡状の洗剤)、3)オキュソフト(消毒薬をしみこませた脱脂綿様の製品)を用いることが出来ます。
(オキュソフトという消毒剤をしみこませた綿の製品です)
リッドハイジーンの実際の仕方はユーチューブを御参照ください。
○温案法は:分泌物のマイバムが28-32度で溶けることを基に行われます。熱過ぎぬように。アイホットRの赤色光や:あずきの入ったパックも使えます。温罨法もユーチューブをご参照ください。
◎内服
ω3多価脂肪酸:PUFAなどが動脈硬化リスク低下に用いられます。1.8-2.4gを内服し、それはさんま一匹分だそうです。
○ω3の代謝には:アラキドン酸経路が関連しています。
○PRL,HELで評価でき、ムコスタ点眼でタクシー乗務員のHELが下がった。脂質を酸化させないという事であろうかとのお話でした。
清澤のコメント:
当医院でも川島素子先生の教えを受けて、日常的にマイボーム腺機能の低下がありそうな患者さんにはリッドハイジーンの励行をお勧めしています。
またマイボーム梗塞の強い患者さんでは吉富式の鑷子による分泌物圧出や、蝋状の円柱形のはっきりしたものではそれの切除摘出も行ってしています。
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