眼瞼痙攣

[No.2552] 片側顔面痙攣とは

今週のメルマガでは片側顔面痙攣を紹介しようと新たに記載した記事です。

片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)

  1. 原因(発生):

    • ほとんどの場合、片側顔面けいれんは脳幹から出ている顔面神経を後下小脳動脈や椎骨動脈などの脳血管が圧迫していることが原因です。この圧力により神経が刺激され、顔面雄表情筋の不随意な収縮が起こります。
    • よりまれに、他の要因(腫瘍等による顔面神経への圧迫、刺激、または損傷など)が片側顔面けいれん発症に寄与することがあります。
  2. 治療の原則:

    • ボツリヌス毒素注射(ボトックス): 片側顔面けいれんの主要な治療法です。ボツリヌス毒素を患部の顔面筋肉に注射し、一時的に麻痺させて痙攣を軽減します。ただし、数か月ごとに繰り返し注射が必要です。
    • 薬物療法: 一部の薬剤(抗てんかん薬や筋弛緩薬など)は症状の管理に役立つことがありますが、ボトックスより効果は低いです。私は漢方薬である抑肝散加陳皮半夏の内服を試すこともあります。
    • 手術オプション:
      • 微小血管減圧術(MVD:microvascular decompression): 圧迫している血管を顔面神経から遠ざける処置を小さな開頭術で行う手術です。MVDは多くの患者にとって長期的な緩和をもたらし、特に患者さんの希望が強い場合に選択される治療法です。
      • その他の手術アプローチ: 一部の患者では神経切断や神経切除などの他の手術技術が検討されることがあります。
    • 麻酔管理: 手術中の適切な麻酔は患者の安全と快適さを確保するために重要です。
    • 予後と再手術: MVD後の予後は一般的に良好ですが、一部の患者は症状が再発した場合に再手術が必要となることがあります。以前、多数のこの手術を行っていた医師は、再手術は有効性が低いので行わない、高齢者はその対象から除くと話されていました。

 各患者の状況は個別で異なるため、神経学者や神経外科医と相談しながら治療方針を決定することが重要です。眼科医は、片側顔面けいれんの患者に遭遇することがあるかもしれませんので、その管理について理解しておくと役立ちます。具体的なケースや質問があればお気軽にお聞きください! 

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