結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.1661] 流行性角結膜炎とは

アデノウイルス結膜炎を疑われる患者さんが来院し、アデノチェックを行いましたが、陰性でした。このようなときには何を考えてどうするかを記載してみます。

アデノウイルス結膜炎は、アデノウイルスによって引き起こされる眼表面(角膜と結膜)の感染症です。このウイルスの結膜炎には、眼だけの「流行性角結膜炎」と、喉の腫れを伴う「咽頭結膜熱」の2つのタイプがあります。

アデノウイルスは、飛沫感染や接触感染によって広がります。プールを介した場合には、汚染された水から結膜への直接侵入と考えられています。

アデノウイルス結膜炎の症状には、結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂などがあります。通常、片方の目から始まり、その後他方にも出現します。また、結膜の炎症は粘液状の偽膜を形成しやすく、下眼瞼結膜に強くて、上眼瞼結膜には弱いとされています。

現在、特異的な治療法はありません。対症療法が中心で、弱いステロイド点眼に抗菌薬の点眼を重ねます。予防としては、握手などの感染者との密接な接触を避けることや、流行時には外出後にうがいや手指の消毒を励行することが挙げられます。

アデノウイルス感染を確定したいときにはアデノチェックという結膜作家標本の免疫学的な検査(アデノウイルス迅速測定キット)での検査を行います。また、金属の削り屑等の異物が飛入残存して似た症状を呈していることがありますから、必ず細隙灯で慎重に見ることが必要です。

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