日本眼科学会の神経眼科部分の症例報告を本日ネットで聞き、メモを加えてみました。
◎トル―ソー症候群:A case of Trousseau’s syndrome with Severe Visual Loss as the initial symptom. 大久保 篤 (さいたま赤十字病院) トルソー症候群はトルソーというフランスの神経内科医が19世紀に発見した病気で、がんの合併症の1つである静脈血栓塞栓症、狭い意味ではそれを伴う脳卒中を指す。がんは浸潤や転移などで患者を苦しめるが、同時にムチンやサイトカイン、組織因子など血管や心臓の内部に血栓をできやすくするということも起きる。こうした状態を血液凝固能が上昇しているといい、血栓が血流に乗って脳に流れ着くと脳卒中を引き起こす原因になる。このようなタイプの脳卒中をトルソー症候群と定義している。
◎ ミラー・フィッシャー症候群:片側眼球運動障害や急性視力低下で発症し、診断に難渋したMiller Fisher症候群の1例:孫 偉英 (川崎医大) P1-041:フィッシャー症候群(ミラー・フィッシャー症候群は、1956年に医師のミラー・フィッシャーが、急性の外眼筋の麻痺、運動失調、腱反射の消失といった症状がある3件を報告し、それでちなんで病名が名付けられた。:GQ1b抗体で確定している。視神経障害の合併はまれ。100日で回復。
◎ 赤外線撮影と画像計測が有効と思われた
Horner症候群幼児例の経験 菅野 順二 (埼玉医科大・アイセンター):P1-040
(ホーナー症候群)ホルネル症候群では、顔の側において、まぶたが垂れ下がり、瞳孔が小さくなり、発汗が減少する。本発表では、虹彩の色が明るい。
◎ P1-042 両眼視神経萎縮を合併しNF1遺伝子に新規de novo変異を認めた神経線維腫症1型の女児例:福永 直子 (東京慈恵医大・葛飾):
神経線維腫症I型(neurofibromatosis type1:NF1、レックリングハウゼン病)は、カフェ・オ・レ斑と神経線維腫を主徴とし、その他骨、眼、神経系、(副腎、消化管)などに多彩な症候を呈する母斑症であり、常染色体性優性の遺伝性疾患である。:神経線維腫症I型の原因遺伝子は17番染色体長腕(17q11.2)に位置し、その遺伝子産物はニューロフィブロミン(neurofibromin)と呼ばれ、Ras蛋白の機能を制御して細胞増殖や細胞死を抑制することにより、腫瘍の発生と増殖を抑制すると考えられている。NF1遺伝子に変異を来した神経線維腫症I型では、Rasの恒常的な活性化のため、Ras/MAPK経路の活性化とPI3K/AKT経路の活性化を生じ、神経線維腫をはじめとし、多種の病変を生じると推測されている。
◎ P1-043 特発性頭蓋内圧亢進症に対して腰椎-腹腔シャントを施行し、視機能維持が得られた一例 冨田 晃生 (大阪赤十字病院)
中心視力の低下と周辺視野の狭窄を示す。頭蓋内圧亢進症は、頭蓋骨内部の圧力(頭蓋内圧)の上昇を特徴とする。 この病気の誘因は不明。視覚症状があり進行すればシャントの適応樽。欧米では肥満女性に多いと。
◎ P1-044 視神経障害から診断にいたったBing-Neel症候群(BNS)の1例:新田 啓介、(群馬大):チラブリチニブが有効だったと。
原発性マクログロブリン血症の中枢神経浸潤は BingNeel 症候群と呼ばれ、極めて稀な疾患。〇B細胞に発現するB細胞受容体(BCR)は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介して、B細胞の活性化・増殖・分化に関わる下流シグナルを伝達しています。一部のリンパ腫では、このBCRシグナルが恒常的に活性化していることが知られています。チラブルチニブは、BTKと結合することでキナーゼ活性を阻害し、B細胞性腫瘍の増殖を抑制することが期待される。
注:此のingは生成AIを用いたマイクロソフト社のBingとは無関係です。
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