忙しい外来診療に交じって、「自分がビジュアルスノウではないか?」という主訴で初診の患者さんが来院されることがあります。診断に向けての診察を一連の流れの中で行えるように、今回は診断手順を定めたモデルカルテを改定しました。
ビジュアルスノウ症候群のチェック項目改定版(自由が丘清澤眼科清澤源弘 2023.6.11)です。まず、視力と眼圧程度を調べてもらってから患者さんと対面し。この質問票に従って診察を進めます。散瞳眼底検査、眼底写真や視野測定などはそのうえで指示を追加するかもしれません。一応、採血と脳画像診断は省略することが多いかと思います。
この表の項目を患者さんに伺いながら診断を進め、その結果で最後にビジュアルスノウ(清澤の考える視界砂嵐症候群、若倉の呼ぶ小雪症候群)であるかどうかを判断してお伝えします。
ーーーーチェック項目ーーーーー
- (判定: )視野全体にわたる動的で連続的な小さなドットが 3 か月以上持続する
- (判定; /4) 次の 4 種類のうち少なくとも 2 種類の追加の視覚症状に該当する:
(判定; )パリノプシア(刺激が取り除かれた後の視覚的イメージおよび/または後続イメージの持続的な再発)
(判定; )強化された内視現象*
(判定; )羞明(光に対する過敏症または不耐性。日光、コンピューター、蛍光灯、車のヘッドライトを避ける人もいます)
(判定; )Nyctalopia (夜間視力障害)
- (判定; )症状は典型的な片頭痛の視覚予兆(閃輝暗点)とは一致てはいない。
- (判定; )その症状は、網膜疾患などの別の病気ではうまく説明できない
*両眼の過剰な飛蚊症(注;ひぶんしょうl日本の眼科医はひもんしょうとは読みません)( )、過度のブルーフィールド内視現象(青空などの均一な明るい面を見たときに、両眼の視野に無数の小さな灰色/白/黒の点またはリングが飛び散る)( )、目の中での自己発光( )(暗闇で目を閉じたときに知覚される色付きの波または雲)および自発的光視( )(明るい閃光).
A: 視覚的な症状:(これまでの繰り返しにはなるが、微細な症状を聞き取るため)
( )視界全体に雪のような点がある
( )小さな浮遊物または点滅ライトが見える
( )光に対する過敏症(羞明)の自覚がある
( )視野から外れた像を見続ける(パリノプシア)
( )目そのものの中で映像を見る(内視現象)
( )スターバースト、光輪、複視 (複視) などのその他の視覚効果
B: 非視覚的症状:
( )呼び出し音、ハミング音、またはブーンという音 (耳鳴り)が聞こえる
( )自分が自分の体から切り離された感覚(離人症)
( )不安および/またはうつ病の症状がある
( )頻繁な片頭痛、ブレイン フォグ、錯乱を自覚している
( )めまいと吐き気がある
( )不眠症およびその他の睡眠関連の問題がある
( )全身の一般的な痛みを伴う、脚と腕のうずき感
(元の文章の作者はピーター・ゴーズビー、MD PhDキングス・カレッジ・ロンドン、神経学教授で、清澤が翻訳加筆してあります。)
★視力、眼圧、眼底、視野、心理(セスディー)を確認したうえで他の治療すべき疾患がなければ診断確定とし、経過観察とします。成人で脳検査を希望する場合、東京都健康長寿研究所PET検査室(石井賢二、鈴木幸久医師)にPET検査を依頼できます。
★ 現在:精神症状に対して処方をする場合がありますが、遮光眼鏡(サングラスは無効です)紹介などのほかに明確な確立された治療法はありません。
ーー本日の診断
( )ビジュアルスノウ症候群である、
( )ビジュアルスノウ症候群ではない。それならば、何が考えられるか( )
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最近、清澤と鈴木幸久が著し、出版された一般雑誌の記事コピーを手交できるかもしれません。
昨年のビジュアルスノウイニシアチブの動画です。
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