小児の眼科疾患

[No.1745] 心因性視覚障害とは:心因性視覚障害の原因、機序、そして治療法

清澤のコメント心因性視力障害を診断するには間違いやすい多くの疾患があります。レーベル病を含む家族性視神経疾患、家族性レチノスキシス、そして網膜外節が局所的に脱落するAZOOR、更に網膜下に液体がたまる中心性網脈絡膜症なども考えられます。ですから、いきなり心因性では?と思考を進めずに、考えられる網膜や視神経の疾患を丁寧に考えて除外してみるみることが大切です。

英語ではこれをfunctional visual lossと呼びます。機能的視覚損失 (FVL) は、器質的病変によって引き起こされない視力および/または視野の低下です。したがって、「非器質性視覚損失」(NOVL) とも呼ばれます。この存在は、「転換性障害」、詐病、身体症状性障害、および「虚偽性障害」の範囲内にあると考えられています。(米国眼科学会 2023 年 4 月 24 日)

心因性視覚障害は、心理的な原因によって引き起こされる視機能の異常で、眼には器質的疾患を認めません。 視機能の異常としては視力低下のほかに視野異常などをみとめることもあります。 発症は7歳~12歳の女児に多く、男児の約2倍と言われています。 仮病と思われるかもしれませんが、本人は本当に視力が出ないと思い込んでいることがこの病気の特徴で、決して嘘をついて視力が出ないわけではありません。

 

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