小児の眼科疾患

[No.1339] 「通告の」推進は、本当に子供たちを守るのか:滝川一廣

清澤のコメント:藤原一枝先生から「児童虐待防止法」のパラドクス 「通告の」推進は、本当に子供たちを守るのか:滝川一廣:という本年1月号「精神看護」(医学書院)寄稿文の紹介をいただきました。現況は「虐待」をもれなくチェックして子供を虐待から守ろうとするものだが、これで相談対応件数はうなぎ上りになるが、児童虐待数は変わってはいないという論旨です。

    ーーー記事抄出:精神看護2023年1月Vol26 No1、039-042ーーーー

米国の「先進的」な制度を輸入して「児童虐待防止法」(2000年)の制定。「虐待」を疑えば児童相談所に通報(通告)することを国民に義務付けた。

虐待相談対応件数の激増:通報は増えているが「虐待」は増えているのか?

要保護児童の非増加:「虐待」と判断された子供は養育者から引き離され、保護されるが、要保護児童の数や比率は10年間増えていない。

「虐待死」の非増加:「虐待死」も増加していない。

相談対応件数をうなぎ上りにするもの:「虐待」をもれなくチェックして子供を虐待から守ろうとするもの。そのため通告推進運動が展開され、通告数だけが増加した。もう一つは、「虐待」の範囲拡張。「配偶者間暴力DV」は子供への「心理的虐待」と規定された。警察はDVへの積極的介入に踏み切った。2004年以降、介入した配偶者間の子供は虐待通告するようになった。

通告激増がもたらすもの:米国では2014年に全通報数370万件(受理件数は210万件)。子供30人に一人。しらみつぶしのチェックにも拘わらづ米国では年間①500-1700件と虐待死が多い。虐待通報の8割が誤報。多くの通報が本物の確立を下げるというパラドクス。

通告義務化がもたらすもの:米国の通告制度は、守秘義務を超えた通告義務を課すことから始まった。通告の義務化により、支援が不可能になったというパラドクス。英国では通告を義務付けず、懐が深い。英国の「虐待死」は人口比で米国の5分の一である。

 疑えばすぐさま通告して行政に丸投げするのではなく、まず自分たちで何がなせるのかを考える社会を目指すべきだ。

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