社会・経済

[No.248] ウクライナに迫る「旧チェコスロバキアの悲劇」:記事紹介

清澤のコメント:このところ少し危機感が遠のいた雰囲気もありますが、ウクライナ情勢は依然不透明です。以前私の書いたブログにHHhHという変わった名前の本の読後印象記があります。それに関連して1938年のチェコからナチスドイツへのズデーテン割譲を扱った記事があります。チェコの例でいえば、当時チェコの一部であったズデーデン地方にはドイツ人が多く、チェコからドイツへの割譲を喜ぶ住民も多かったということのようです。ウクライナにも場所によりロシア人が多いので似た社会的な背景もあります。今回紹介する記事は、ウクライナに迫る「旧チェコスロバキアの悲劇」というものです。私は日本が武力を持つべきだというこの記事の結論に賛成なわけではありません。

ーー前回の記事ですーー

https://www.kiyosawa.or.jp/uncategorized/40477.html/

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チェコスロバキアに関する歴史では、最初にナチスがオーストリアを無理やり併合(1938年)して次にチェコスロバキアに恫喝をかけたときに、イギリス、フランス両国は、自らの利益を考えてズデーデン地方のドイツへの割譲をチェコスロバキアに迫ります(ミュンヘン会談)。チャーチルは当時のチェンバレン政府を批判して、「戦争か不名誉か、そのどちらかを選ばなければならない羽目になって、諸君は不名誉を選んだ。そして得るものは戦争なのだ。」と国会で述べたそうです。

「鐘が鳴る、鐘が鳴る、裏切りの鐘が鳴る
その鐘を鳴らしたのは誰の手か?
美し国フランスよ、気高き白亜のブリテンよ、
どちらも我々の愛した国なのに」
(フランチシェク・ハラス)(1901-49チェコの詩人)
それをチェコスロバキアの人々は、こう歌いました。

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最近のネット記事

ウクライナに迫る「旧チェコスロバキアの悲劇」 日本は国防力の抜本的強化を

https://www.sankeibiz.jp/article/20220110-JN3XPPDIMBEUJN3VWP56BGAYF4/

緊張するウクライナ情勢をめぐって、今年1月2日、バイデン米大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した際、ウクライナが絡む事案はウクライナの関与なしに決定しないことを強調したとされる。

緊張するウクライナ情勢。強大国に隣接する国が領土と主権を保持するためには、強大国に侮られない程度の軍事的力、経済的力を保有することが不可欠である(Getty Images)※画像はイメージです
緊張するウクライナ情勢。強大国に隣接する国が領土と主権を保持するためには、強大国に侮られない程度の軍事的力、経済的力を保有することが不可欠である(Getty Images)※画像はイメージです

歴史が示す“約束”の行方…

以前にも、同趣旨のことを他国の指導者に懇請した人物がいる。1938年9月28日、当時のチェコスロバキアのベネシュ大統領は、ミュンヘン会談に臨もうとしているイギリスのチェンバレン首相に対し「ミュンヘンでは、チェコスロバキアと相談することなしには何ひとつ決定されぬようお願いします」と申し入れた(松浦伶訳:ウィリアム・L・シャイラー「第三帝国の興亡」〈2〉366頁)。しかし、その願いはかなえられなかった。

チェコスロバキアのズデーテン地方をドイツに割譲するかどうかを決める会談は、翌29日午後0時45分からドイツ・ミュンヘンのケーニヒスプラッツで始まった。だが、そこにはドイツのヒトラー、イタリアのムッソリーニ、イギリスのチェンバレン首相、フランスのダラディエ首相の姿があるだけで、当事国であるチェコスロバキアのベネシュ大統領の姿はなかった。

ミュンヘン会談が行われたケーニヒスプラッツ(Getty Images)※画像はイメージです
ミュンヘン会談が行われたケーニヒスプラッツ(Getty Images)※画像はイメージです

さすがに、チェンバレン首相が、チェコスロバキアの代表を一人は同席させるべきだと主張したものの、ヒトラーの拒絶により、チェコスロバキアの代表者は隣室で待機することしか許されなかった。こうして、チェコスロバキアの代表者としてベルリン駐在公使と外務省関係者の2人が長時間隣室で待機したが、会談に呼ばれることはなく、ヒトラーとの戦争を回避することを最優先して、チェコスロバキアのズデーテン地方をドイツに割譲することが決定された。その後の展開は歴史が示すとおりである。

バイデン大統領は、もし、ロシアがウクライナに侵攻したら前例のない強固な経済制裁を科すと宣言しているが、ロシアの出方を見ていると、プーチン大統領は既にウクライナ侵攻を決意しているように感じられる。

◎神王TVでは、ロシアからの侵攻は無いがだろうが、ウクライナ側が動けばロシアからの反抗は有り得ると評論しています。

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