糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.2832] 糖尿病で認められる恐れのある眼底変化について

ヘモグロビンA1c8.3程度の場合に糖尿病で認められる恐れのある眼底変化について患者さんに説明する文です。

糖尿病による眼底の変化について

糖尿病が進行すると、血糖値のコントロールが難しくなり、全身の血管に影響を与えます。特に目の網膜にある血管にダメージが蓄積すると、糖尿病網膜症と呼ばれる状態が生じます。ヘモグロビンA1c8.3という数値は、糖尿病のコントロールが不十分である可能性を示しており、眼底にも次のような変化が現れることがあります。

  1. 血管の異常

   – 小さな血管が膨らんだり、漏れたりする微小動脈瘤が見られます。

   – 網膜の血管から出血が生じることがあります。

  1. 浮腫(むくみ)

   – 糖尿病により血管が漏れやすくなると、網膜に水分が溜まり、網膜浮腫が発生します。これが黄斑部に及ぶと視力が低下する恐れがあります。 

  1. 新生血管の形成

   – 病気が進行すると、新しい血管が異常な場所に形成されることがあります。これらの新生血管はもろく、出血を引き起こしやすいです。

  1. 網膜剥離

   – 新生血管が増えすぎると、網膜を引っ張る力が強くなり、網膜剥離が起こる可能性があります。これは失明のリスクがある非常に深刻な状態です。

これらの変化は初期には自覚症状がないことが多く、定期的な眼底検査が早期発見と治療のために重要です。糖尿病網膜症の進行を防ぐためには、血糖値のコントロールに加え、眼科での定期的な診察と検査が欠かせません。

糖尿病で腎臓が悪くなったら眼科医の受診を検討すべし…欧米の生物医学専門紙に掲載

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。