小児の眼科疾患

[No.2298] レクリングハウゼン病(神経線維腫症1型)とは

眼科医清澤のコメント:レックリングハウゼン病(神経線維腫症1型)の子の母として「4万人の患者とともに皆が生きやすい社会を目指したい」という詳細な記事が朝日新聞に出ていました。大河原さんはこの疾患を示す(⇒リンク)「To smile」というサイトを作っています。

要旨は:

  • レックリングハウゼン病とは:神経線維腫症1型とも呼ばれる遺伝性の病気で、皮膚にカフェ・オ・レ斑やイボができたり、骨や神経に腫瘍ができたりする。
  • 大河原和泉さんの体験:末娘の紬乃さんがレックリングハウゼン病と診断され、患者・家族会「To smile」の代表として情報発信や支援活動を行っている。
  • 西田佳弘教授の解説:レックリングハウゼン病の診断基準や症状、発達障害やがんのリスク、定期検診の必要性などについて説明している。
  •    ーーーーーー
  • 「神経線維腫症1型は遺伝子の変化を両親のどちらかから受け継ぐ家族性と、子どもの遺伝子が偶然変化する孤発性の二つがあります。代表的な症候の一つは、生後から皮膚にあらわれている茶色のしみやあざで、これらはその色から『カフェ・オ・レ斑』と呼ばれています。また、十代以降に多く見られるのが皮膚神経線維腫で、主に顔や四肢にイボのように見える腫瘍ができます。NF1という遺伝子の変化によって起こる病気で、疾患自体をNF1と短縮して呼ぶこともあります。日本では出生約3000人に1人の割合で生じ、およそ4万人の患者がいると推定されています」
  • 西田教授によれば、臨床的な診断基準は以下の7つで、2項目以上が当てはまる場合は神経線維腫症1型と診断されるとのこと。「皮膚科や小児科の先生であれば見逃すことは少ないでしょう。臨床的な様々な症候が出ますが、年齢ごとにあらわれやすい症状が異なるので、何歳ごろにどんな症候が出るのかを知っておくと、早めに対処できる可能性が高いと思います」と話します。

    1. 6個以上のカフェ・オ・レ斑
    2. 2個以上の神経線維腫(皮膚の神経線維腫や神経の神経線維腫など)またはびまん性神経線維腫
    3. 腋窩(えきか)あるいは鼠径部(そけいぶ)の雀卵斑様色素斑
    4. 視神経膠腫
    5. 2個以上の虹彩小結節
    6. 特徴的な骨病変の存在(脊柱・胸郭の変形、四肢骨の変形、頭蓋骨・顔面骨の骨欠損)
    7. 家系内(第一度近親者)に同症。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー次に私は眼科医としてレクリングハウゼン病の眼症状を述べてみます。

      レックリングハウゼン病は、神経線維腫症1型とも呼ばれる遺伝性の病気で、皮膚にカフェ・オ・レ斑やイボができたり、骨や神経に腫瘍ができたりする病気です. 眼症状としては、虹彩小結節80%(目にできる小さな腫瘍)や視神経の腫瘍7%(視神経膠腫)があります2. ただし、レックリングハウゼン病の眼症状は、病気の進行によって現れることが多く、症状が出ていない場合もあります。眼症状に対する対策については、レックリングハウゼン病の治療法に従って治療を行うことが必要です。12

      1: MEDLEY  2: レックリングハウゼン病の虹彩小結節、ライシュノヂュール:とある眼科医のブログ

      上の文献2はニューイングランドジャーナルを引いた私の以前の記事です。

      レクリングハウゼン病の虹彩小結節、ライシュノヂュール:とは

       

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