社会・経済

[No.503] コロナ後の日本経済「V字回復の秘策」は、じつは「アクティブシニア市場」にあった…!:記事紹介

清澤のコメント:70歳を前に常勤職員20人を超えていた江東区の眼科医院を一年前に事業譲渡しました。日々することがないことに愕然として、自由が丘で半年前再度の開業した清澤です。現在は若いお嬢さん方二人と、日によって入ってくださる私と同世代の看護師さんとの毎日がとても新鮮で楽しいです。家族も前向きにやることができて良かったと心から喜んでくれます。そんな時、「我々アクティブシニアこそがコロナ後の日本経済を引き上げる世代なのだ」というこの記事を見て目が覚める思いです。昨日まですべてを捨てて社会の成長に参加してきた我々世代を日本社会がもっと前向きに生かしてくれることを希望します。

(https://nspc.jp/senior/archives/3305/)

―――記事の要点要約―――

 

週刊現代

新型コロナウイルスの世界的流行から早2年が経ち、経済的な大打撃をかぶった各国も、現在一部は回復基調にある。しかし一方で、日本はいまだその闇から抜け出せないでいる。経済回復の起爆剤となりうる施策は?

毎年1兆円拡大する市場

シニアビジネスの専門家である。村田裕之氏は説明する。「高度経済成長を支えた団塊の世代や、その下の世代は、現役の頃、昼は会社で働き、夜は仲間と飲み、週末は接待ゴルフというような会社中心パラダイムで人生の大半を過ごしてきました。そうした世代はリタイヤしたからといって、現役時代の意識をすべて捨てることはありません」

それは、旅行における世代別消費傾向にも表れている。60歳以上の高齢者は、39歳以下と比べ旅行ツアーに22倍の金額を支出している。高齢者は高級旅館に泊まって土地の高価な工芸品などを買う。それによって、地元に多額の現金が落ち、観光産業が賑わう。

高齢者は、年金生活で生産に寄与しない。しかも次第に活動ができなくなって介護に頼る人たちに財源を投じても、未来はないのでは?

これが日本人が抱く二つめの勘違いだ。

高齢者市場の規模は、’12年の段階で100兆円に達しており、毎年1兆円近い規模で拡大し続けている、高齢者比率は’30年には3人に一人に増え、高齢者の絶対数は’40年まで増え続けていく。個々人の活動は次第に縮小していくとしても、全体としての消費規模は、増加の一途をたどる

しかも現在、世界の先進諸国も歩調を合わせて高齢化の道をたどっており、’30年の世界高齢者人口は10億人に達する。いわば日本は、未来に出現する巨大高齢者市場のフロントランナーなのだ。

アクティブシニアの市場規模は、’21年に106兆円くらいになりました。おおよそ国の一般会計と同じ規模になります

アクティブシニアは、かつて一億総中流とされた世代です。現在では、生き方も消費の仕方も個性や価値観が反映されるようになり多様化しました。さまざまな市場が形成され、新たなビジネスチャンスが転がっているのです」

シニアの消費の特徴は、3K(健康、孤独、経済)不安の解消にあるという。

「年を重ねても病気になりたくない、“健康”でいたいとスポーツジムやゴルフにお金をかける。

会社勤めがなくなり、交際の幅が狭まってきたら“孤独”を解消するため男性の多くはカメラやオーディオ、釣り、登山用具などのコレクションを充実させる

女性の特徴はコネクション。友人と高級ホテルでのランチなど仲間と連れ立っての消費活動で孤独を癒やすので、経済効果は大きい。

さらに会社勤めを経験していた男性は、身体が動くうちは、仕事を通じて少額でもいいので定期的な収入を得、“経済”的な不安を打ち消し、同時に社会とつながりたいと希望しているのです」

村田氏は、’22年はアクティブシニア市場にとって節目の年であるという。今年は’47年生まれの団塊の世代が75歳=後期高齢者入りする年だから。

「後期高齢者になると、病院にかかる割合が一気に上昇し、認知症の発症率や要介護率も跳ね上がる。アクティブシニアの消費活動は、ポスト団塊の世代へと変化していきます

彼らは健康維持のためにも仕事を続けることへの執着がより強い。」(村田氏)

日本は二十数年の間、GDPは上がらず、実質賃金は下がり続けている。まず高齢者、続けて国民全員に思い切った給付をすることが現状打破につながる。

日本ベーシックインカム学会理事の小野盛司氏は言う、「日本経済を上向きに導くには、継続的な現金支給が有効です。日本は国債の多くを日銀が買っており、円建てです。外国企業に投げ売りされても円を発行して全て買い取れますからリスクはゼロです。財政赤字拡大でも破綻しません。端緒として、消費の記憶を持つ高齢者に給付する。彼らがカネの回し方のお手本を見せることで、後に続く現役世代にも仕事が生まれ、経済が動いていく。

岸田総理よ、もしかしたら高齢者のこんな言葉を真に受けていないか?

「もうこの年になると欲しいモノはない」これが三つめの勘違いだ。

「年をとったから欲しいモノがない」のではなく、「その年齢にぴったりなモノがない」からこれまで買わなかっただけなのだ。モノの価値をよく知る高齢世代が日本経済を救う。まず彼らに5万円を配ってみればよい。

『週刊現代』2022416日号より

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