糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.1773] 糖尿病のスティグマ(刻印):とは

日医ニュースの健康プラザというコラムに糖尿病のスティグマ:糖尿病を誤解していませんか?日本糖尿病協会理事長清野裕:という記事が出ています。先ず名称のイメージによる誤解として「生活習慣病」の語感からくる「自己管理ができていない」などの偏見を指摘します。次に「悪循環を断ち切ろう」では、負の烙印を恐れ糖尿病を隠し、治療機会を失って、合併症を起こすという悪循環を指摘します。例えば、現在では糖尿病の人の寿命は日本人全体と大差ありません。最後に「糖尿病が当てもいきいきと暮らせる社会に」という事で、適切な血糖管理で病気の無い人と変わらない生活ができること、また糖尿病は体質や環境など複数の要因で発症し、自己責任論で語るべき疾患でないことが述べられていました。

   ーーースティグマの解説ーーーー

◎ 先ず、スティグマとは何でしょうか。

スティグマは、日本語の「差別」や「偏見」などに対応しています。 具体的には、「精神疾患など個人の持つ特徴に対して、周囲から否定的な意味づけをされ、不当な扱いことをうけること」です。スティグマは、精神疾患を持つ個人の生活や健康に大きな影響を与える場合があります。 たとえば、他者からのスティグマによって、精神疾患を持つ人は自尊心が低下したり、交友関係が小さくなり、社会参加の機会を失ってしまう場合があります。

◎ 糖尿病のスティグマとは:

糖尿病は、予備軍も含めると日本に約2000万人いると言われています。しかし、糖尿病を恥ずかしく感じるということは、その裏には糖尿病が「スティグマ」であると感じているということを意味します。

日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は2019年8月4日に合同委員会を開催し、糖尿病をもつ人に対するスティグマを放置すると、糖尿病をもつ人が社会活動で不利益を被るのみならず、治療に向かわなくなるという弊害をもたらすため、糖尿病であることを隠さずにいられる社会を作っていく必要をあらためて認識しました

スティグマの主な発生源として、家族、友人以外に、本来患者の支援者である医療従事者も含まれます。そこで、日本糖尿病協会は、まずは医療現場で習慣的に使われることばの中で、スティグマが生じうる用語を見直すことで、医療現場を起点に糖尿病の負のイメージを一掃し、糖尿病のある人が前向きに治療に取り組む環境を整備したいと考えています。

(1) 糖尿病診療における「スティグマ」と「アドボカシー」を …. https://mbp-japan.com/hyogo/kaisei-dmcenter/column/5074371/ 

糖尿病に関連した最近の自分の著作:

慶祝:糖尿病網膜症の共著新論文が5月23日刊行されました

糖尿病で腎臓が悪くなったら眼科医の受診を検討すべし…欧米の生物医学専門紙に掲載

 

 

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