角膜疾患

[No.979] 【アカントアメーバ角膜炎】コンタクトレンズは正しく使わないと原虫に感染するケースも:記事紹介

清澤のコメント:アカントアメーバ角膜炎はコンタクトレンズ装用に伴いやすい目の感染症。効果的な抗菌薬はないのですが、眼表面が耐えられる消毒薬などが使われます。そこで新しく発売されたOTC(オーバー・ザ・カウンター)の点眼薬剤があります。その際には眼科医にご相談ください。

殺菌消毒用点眼薬 サンヨード OTCで9月に発売

 

【アカントアメーバ角膜炎】コンタクトレンズは正しく使わないと原虫に感染するケースも 日刊ゲンダイヘルスケア

自覚症状としてゴロゴロした異物感を感じる

自覚症状としてゴロゴロした異物感を感じる

「アカントアメーバ角膜炎」とは、アカントアメーバと呼ばれる原虫に感染することで発症する角膜感染症で、ソフトコンタクトレンズの扱い方が悪いことが原因になり発症するケースがほとんどです。

 アカントアメーバは、池、川、水道水などの中に広く生息しています。水道水はもともと無菌の水ではありません。塩素で消毒してはいるものの、一定の微生物が含まれているのです。ですから、ソフトコンタクトレンズを使用する場合は水道水を使うのは避け、専用の洗浄液を用いることが大切です。

 使い捨てのものを数日間使用する、専用の洗浄液を使わずに水道水で洗うといった行為を続けると、コンタクトレンズがアカントアメーバに汚染されるリスクが高くなります。川やプールにコンタクトレンズを装着したまま入ることも、アカントアメーバ角膜炎の原因になります。

 汚染されたコンタクトレンズを装着するとアカントアメーバが角膜へと移り、角膜炎が発症します。ただ、感染してしばらくは自覚症状が現れません。症状が出る頃には病状が進行しているケースが多いので、コンタクトレンズを使用している人は定期的な眼科検診が大切です。

自覚症状としては、まず目にゴロゴロとした異物感を覚え、続いて強い眼痛が生じるようになります。その後、結膜充血(白目の充血)が起こり、感染した場所によっては視力低下も現れます。

 軽症の場合は、抗真菌薬や消毒薬などで点眼を行うことが治療の中心です。ただしアカントアメーバに対する特効薬はありません。病状が進行した場合、角膜実質まで病巣が及ぶため、角膜を削り取って物理的にアカントアメーバを除去する治療が行われます。この場合、後遺症として角膜に混濁や強い乱視が残ってしまい、視力障害を抱えるケースが多いとされています。

 ですから、予防が何より重要です。コンタクトレンズは適切な使用方法を守ることが大切で、軽視してはいけません。

アカントアメーバ角膜炎の初期細隙灯所見は、樹枝状角膜炎に似ている

 

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